科学アカデミー総裁とは? わかりやすく解説

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科学アカデミー総裁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 00:24 UTC 版)

ムスチスラフ・ケルディシュ」の記事における「科学アカデミー総裁」の解説

ケルディシュは、1960年ソ連科学アカデミー副総裁となり、1961年5月19日には科学アカデミー総裁に就任する総裁となって間もなく、ケルディシュはソビエト連邦共産党中央委員会委員ソビエト連邦最高会議代議員にも選ばれている。 ケルディシュが総裁となる前後は、科学アカデミー大規模な再編が行われた時期であったソ連共産党中央委員会幹部会科学アカデミー批判、更に共産党中央委員会閣僚会議科学アカデミー活動改善に関する布告がなされ、科学アカデミーから技術研究切り離し自然科学社会科学発展集中するものとして再編されることになった。ケルディシュ総裁就任直前再編で、科学アカデミー傘下にあった研究所支部の約半数国家委員会官庁の下へ移管され、研究所減少伴って予算規模縮小していた。ケルディシュは、科学アカデミーソ連卓抜した学術研究機関として立て直すことを、自らに役割として課していたようである。ケルディシュの視点は、科学アカデミー基礎科学研究によって、技術進歩科学的基盤確立積極的に寄与するというところにあった。 ケルディシュは当初は、再編によって大幅に縮小され科学アカデミー工学部援助して国家技術発展への科学アカデミー影響力高め科学アカデミー科学的権威強化することを狙っていた。そのため、工学部新し技術の発展にとって重要な問題研究取り組むため、傘下研究所強化し新たな研究所設立主張したまた、新たに選出されアカデミー会員多く工学部加えた。しかし、この試み成功しなかった。1963年共産党中央委員会閣僚会議布告挙げられ科学アカデミー主要課題工学含まれず、同年改訂され科学アカデミー規約定められ部門にも工学部はなく、結局工学部廃止された。 それ以降総裁としてのケルディシュは、倹約を旨とし、厳格な指導者として振る舞った。ケルディシュは、財政的な限界実践的な要請依拠し規律重視し、それなしで物事進めることをよしとしなかった。科学アカデミー再編招いた理由一つが、官僚主義的な組織膨張で、事務機構が効果的に管理できないくらい複雑化肥大化したことであり、幹部会でその問題知っていたケルディシュは、合理的な規模範囲継続的な運営をする中で、科学アカデミー基盤強化することに主眼置いた。ケルディシュは、物理学者らが天体望遠鏡粒子加速器などの大型研究施設際限なく予算増額要求することに対して辛辣である一方外部からの要請に基づく研究所復帰や新増設にも慎重であった。常に財政難悩まされていた科学アカデミーにとっては、潤沢な資金を持つ国家委員会官庁傘下研究所取り込むより、研究・指導力によって実質的な影響力を持つ方が合理的であったアカデミー競合相手なり得る国家委員会とも、役割分担連携進め研究資金獲得務めた。ケルディシュの姿勢は、ソ連組織指導者としては概ね理にかなったのだったが、「ペレストロイカの父」アンドレイ・サハロフは、科学アカデミー党中央委員会国家委員会官庁指導する巨大な官僚機構行政面で依存している事実大きく作用され官僚機構意思尊重していた、と評している。 結果的には、ケルディシュが総裁であった時期に、再編により縮小した科学アカデミー緩やかな成長続けた1971年までの7年間で、科学アカデミー資産は2倍になった。ケルディシュは、必要な設備投資については意欲的であり、同じ7年間で科学アカデミー設備機械資産価値3.5倍に上昇した科学アカデミー予算占め設備投資比率は、ケルディシュの在職中に9%から22%に上昇し組織体質変化した1971年には、ソ連科学統率者として、科学発展多大な貢献をしたことにより、3度目社会主義労働英雄授与された。14年科学アカデミー総裁務め後半生指導者としての業績が目立つケルディシュだが、60歳誕生祝会見では、学術研究現場離れ管理運営仕事専念してきたことへの後悔を口にしている。

※この「科学アカデミー総裁」の解説は、「ムスチスラフ・ケルディシュ」の解説の一部です。
「科学アカデミー総裁」を含む「ムスチスラフ・ケルディシュ」の記事については、「ムスチスラフ・ケルディシュ」の概要を参照ください。

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