福田恆存の意見とは? わかりやすく解説

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福田恆存の意見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:31 UTC 版)

アテレコ論争」の記事における「福田恆存の意見」の解説

1957年10月福田は『CBCレポート』に寄稿し、この夏に新聞紙面上論議展開されていた吹き替え是非について論考している。 これは日本の民間放送草分け存在であるラテ兼営局中部日本放送TBS系列)が発行する月刊誌であり、同局では中部日本放送放送劇団活動していた。この評論福田著書『私の演劇教室』にも採録され、1961年10月刊行されている。 本質論からいへば、「吹きかへ」にけちをつける理由はどこにもない。私たち文化そのものが「吹きかへ」文化なのだから。いひかへれば、生活のあらゆる部分がばらばらに存在してゐるといふことだ。問題はただそれを統一する技術の面にある。あるいは態度問題がある。私たち不調和前提として、それをいくらかでも埋め努力をすべきではないか。さきに例をあげたやくざ言葉や、女言葉場合でもさうである。西洋人肉體身ぶり表情適合する「せりふ」の抑揚や、いひまはしを研究してはどうか。それがやがて私たち言葉生きかたを變へてくるであらう。もつと最惡場合、私はその努力なしでもいいと思つてゐる。不調和不調和のまま、放つておいてもいい着物に靴の明治文化も、時がたてば現在のうになるし、現在もなほ似つかぬ洋服姿もやがては、身についてくるであらう。現在の亂雑のまま聲の「吹きかへ」を、もつと「藝術的」な本格映畫にも適用したはうがいい。さうなれば、みな否應なくその不調和に文句をいひだし、いづれ改善されるであらう。すくなくとも、西洋人肉體日本語との不調和は、「意味」と「聲音」との分離觀念感覺との分離強要するスーパー・インポーズよりは精神衞生にいい。それだけたしかだ。 — 「吹きかへ」文化

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福田恆存の意見

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アテレコ論争」の記事における「福田恆存の意見」の解説

1981年6月福田総論戯曲論、翻訳論演出論、演技論などからなる演劇入門』(1981年玉川大学出版部)を編纂し、「新劇出発点についてゐない」と総評をしている。 「新劇五十年かかつて、何ものにもなりえなかつたのであり、何ものをももちえなかつたのである。」と日本新劇史を概観した自著『私の演劇白書』(1958年発行)を引き、それから二十有余年後の新劇今もなお自己喪失状態にある事を指摘した。そして、新劇はその自覚徹底する事で初めスタート・ラインに立ち得るとし、改め西洋演劇正統であるせりふ劇言葉の「造形美術」の確立提唱している。 すべてを翻訳のせゐにして逃げる訳には行かない問題新劇歴史始つて以来今日に至るまで、役者演出家もせりふが目に見える物体であり、それが力学法則にしたがつて動くものであるといふ事実一向気附かず、作者思想だの、人物の性格心理だのと、目に見えぬ内面的な掘下げ」と称する曖昧模糊たる領域自己欺瞞続けてきたといふ事にある。(中略過去新劇に最も欠けてゐた事は、実はリアリズムのである、せりふの物理学リアリティのである。 — シェイクスピア劇のせりふ――言葉行動する

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