田沼意次の通貨政策と物価の高騰とは? わかりやすく解説

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田沼意次の通貨政策と物価の高騰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 15:30 UTC 版)

天明の打ちこわし」の記事における「田沼意次の通貨政策と物価の高騰」の解説

田沼時代代表する政策一つとして通貨政策挙げられる田沼取り組んだ通貨政策大きく二つあった。まず第一政策江戸中心とした関東東国経済圏行われていた金を基本とした経済と、大坂京都中心として西日本裏日本中心として行われていた銀を基本とした経済統合していこうと試みた。これは長年慣習もあって定着してしまっていた東日本の金使い経済と、西日本裏日本の銀使い経済であったが、経済の発展に伴い流通盛んになるにつれて、金使いと銀使い経済並立することによる弊害が目立つようになっており、田沼経済一元化目指し経済の統合図った田沼はまず明和2年1765年)に明和五匁銀発行した。これは西日本日本海側中心として流通していた丁銀豆板銀秤量貨幣であったのに対し五匁銀12一両相当するという計数貨幣として発行された。しかしこの時の試み金と銀との交換によって生計成り立たせてきた両替商抵抗遭い市場では五匁銀12一両という計数貨幣としての通用をせず、これまでの丁銀豆板銀同じよう金貨との交換相場立てられてしまい、もくろみ失敗終わった。しかし明和五匁銀失敗後、安永元年1772年)には南鐐二朱銀発行された。南鐐二朱銀表面に8小判一両となる旨が明記されており、明和五匁銀同じく計数貨幣としての流通図った銀貨であった両替商抵抗など紆余曲折はあったものの、南鐐二朱銀徐々に西日本などにも浸透していった。南鐐二朱銀発行直前金貨不足により公定レートである一両=銀60匁という相場から大幅に金高、銀安の一両が銀68-70匁という相場であった。しかし金と直接リンクした計数貨幣である南鐐二朱銀定着するにつれて相場安定し安永末から天明半ばかけては公定レートである一両=銀60匁付近に落ち着いた。しかし南鐐二朱銀発行量が増える従い天明中期以降今度一転金安銀高相場となり、天明6年後半には一両=銀50匁に近づくという著し銀高相場となった。これは南鐐二朱銀流通量過大となってしまった点に加えて南鐐二朱銀流通江戸京都大坂三都偏り地方にはあまり行き渡らなかったため、江戸京都大坂での供給過剰顕著になった上に、これまで南鐐二朱銀流通促進してきた田沼経済政策への不信著し金安銀高相場もたらす要因となった田沼意次通貨政策もう一つ銭相場安定化であった公定レートは銭40004000文)が一両であったが、経済の発展に伴い庶民が主に用いる銭の需要増大したことが原因で、公定レートよりも銭が高い相場続いていた。また銀相場維持銀中心の経済であった大坂市場強化にも繋がると判断し田沼政権明和2年1765年)には江戸亀戸などで銭の鋳造進めたが、明和5年1768年水戸藩用いた銭の鋳造認め、さらに同年真鍮四文銭鋳造開始したことにより、今度一両が5500文になるほどの大幅な銭安相場へと転じてしまった。田沼政権は銭の価値高め相場安定させるために鋳造量を減らす対策立てたものの、銭の価値は高まらなかった。 天明年間後半は、南鐐二朱銀と銭の流通量過大主因とした金、銀、銭の相場混乱顕著となり、物価高引き起こす要因一つとなった。特に庶民が主に用いる銭の価値下落購買力低下直結し天明の大飢饉影響による米価高騰とのダブルパンチを受ける形となった庶民の生活は厳しさ増し田沼政権に対する不満高まっていった。

※この「田沼意次の通貨政策と物価の高騰」の解説は、「天明の打ちこわし」の解説の一部です。
「田沼意次の通貨政策と物価の高騰」を含む「天明の打ちこわし」の記事については、「天明の打ちこわし」の概要を参照ください。

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