生物の体内への吸収経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:40 UTC 版)
「ダイオキシン類」の記事における「生物の体内への吸収経路」の解説
ダイオキシン類は消化管、皮膚、肺より吸収されることが判明しているが、一般的な生活状況では日常生活におけるダイオキシン類の総摂取量のほとんどは経口摂取によると報告されている。 ダイオキシン類の1人1日摂取量--摂取源摂取量単位pg-TEQ/kg/日大気 0.019 土壌 0.0052 魚介類 1.15 肉・卵 0.14 乳・乳製品 0.032 穀物・芋 0.0014 有色野菜 0.0018 その他 0.007 計約1.35経口 : ダイオキシン類が付着しているまたはダイオキシン類を含有している食品を摂取し、消化器官から体内に吸収される。 経気道 : 気体や微細な粉塵となったものを呼吸によって吸い込む。 経皮 : 皮膚に付着した粉塵や気体などを皮膚表面から吸収する。 経口吸収率は脂肪に溶けている場合は90%に近いが、食物に付着している場合は50%-60%程度に半減すると考えられている。また生物種の違いにより経口吸収率に大差は認められていない。実験動物に経口投与した場合、おもに血液、肝臓、筋、皮膚、脂肪に分布し、特に脂肪組織に分布し、この傾向は動物種によって違いはない。 ダイオキシン類摂取状況については食事由来のダイオキシン類摂取量は9都道府県での陰膳方式による摂取量調査の結果では平均1.25 pg/kg/day(最小値0.26-最大値2.60 pgTEQ/kg/day)であった。 2004年の報告では、推定値は1.41 pgTEQ/kg体重/日(0.48-2.93 pgTEQ/kg体重/day)である。 食事以外によるダイオキシン摂取量は少ないと推定されており、日本国の場合、大気由来は0.02-0.18 pg/kg/day、水由来は0.001 pg/kg/day、土壌由来は0.008-0.084 pg/kg/dayと推定されている。食品では、生物濃縮される動物性食品からが大半である。野菜に付着したダイオキシン量を減らす方法として、水洗いで何割かのダイオキシンが減り、煮る・焼くといった脂質が減るような調理によっても何割か減ると報告されている。 食物からのダイオキシン類の摂取量(1997年)国摂取量単位pg-TEQ/kg/日日本(1) 3.26 日本(2) 1.25(0.26-2.6) ドイツ 2.2 カナダ 2.3 オランダ 2.0 米国 0.3-3.2 イギリス 2.1 日本近海についてはアナゴ、カニ類の内臓など、また遠洋・輸入のマグロなどから相当濃度のダイオキシン類が検出されている。また、魚の油にダイオキシン類が多く含まれている。別の報告では日本近海のイカ類、底存性サメ類、タラ類の肝臓部にダイオキシン類が高いという報告もある。
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