現代日本のチベット仏教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 16:46 UTC 版)
「チベット仏教」の記事における「現代日本のチベット仏教」の解説
戦後は、欧米経由のニューエイジやサブカルチャーの領域において注目されるようになり、エキゾチックな仏教美術をドラッグの幻覚を連想させる表現で引用したり、転生ラマ(トゥルク)のシステムや一部の仏典のみを参照して呪術的な側面を特に強調して紹介されることが多かった。 また、ダライ・ラマ14世がオウム真理教の麻原彰晃と面会した際に麻原を称賛したこと、オウム真理教が東京都で宗教法人格を取得した際には、ダライ・ラマ14世が東京都に推薦状を提出してオウム真理教を支援したことなどから、チベット仏教に対する悪いイメージが広まった。チベット亡命政府樹立以降は、積極的なチベット仏教側の情報開示、学者や伝統的な僧侶による一般向けの講習会開催など、理解を深めるための活動が行なわれている。 日本においてはとりわけ、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所勤務者たちによって、1998年に設立された「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)などが、その役割を果たしている。 また、教派的に近い関係にある日本の真言宗との関係は、以下に示すように緊密であり、盛んな交流がなされている。(上記の「チベット仏教普及協会」(ポタラ・カレッジ)も、真言宗智山派や大正大学などと縁がある。) 2004年7月、広島県にある高野山真言宗龍蔵院内に、日本初のチベット仏教僧院である「龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院」が創設され、その窓口である「デプン大僧院・ゴマン学堂日本事務局」と共に、一般社団法人「文殊師利大乗仏教会」によって、運営・支援されている。 真言宗御室派の大本山である広島・大聖院では、「チベット仏教ゲルク派デプン大僧院ゴマン学堂」と継続的に交流活動が行われており、2006年11月3日には、空海による弥山の開創1200年を記念して、ラサのデプン大僧院に由来する弥勒菩薩の開眼法要がダライ・ラマ14世によって行われ、その仏像建立儀式が11月8日に完了したことを由縁として、毎月8日には「龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院」のチベット僧達によって「大聖院弥勒仏兜率浄土祈願(デプン・ジャンパ法要)」が月例行事として行われている。 真言宗豊山派の大本山である東京・護国寺では、度々チベット仏教にまつわる供養・勤行が行われ、2011年4月29日には、東日本大震災のためのダライ・ラマ14世による四十九日法要が行われた。 2011年11月1日-2日、高野山大学125周年記念として、ダライ・ラマ14世が高野山を訪れ、講演や灌頂を行った。 2008年、チベット仏教カギュ派の分派であるディクン・カギュ派(直貢噶舉教派)は、京都に「チベット仏教直貢噶舉教派寶吉祥仏法センター」を設立した。これは、同派の僧侶のリンチェン・ドルジェ・リンポチェが台湾において主宰する「寶吉祥仏法センター(社団法人中華民国市寶吉祥仏教文化交流協会)」の日本における拠点として設立されたものである。
※この「現代日本のチベット仏教」の解説は、「チベット仏教」の解説の一部です。
「現代日本のチベット仏教」を含む「チベット仏教」の記事については、「チベット仏教」の概要を参照ください。
- 現代日本のチベット仏教のページへのリンク