現代のSOS
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1976年(昭和51年)にリリースされたピンク・レディーの楽曲「S・O・S」では冒頭に置かれたモールス符号音SOSが問題となった。しかし1966年 - 1967年(昭和41年 - 42年)に放映されたテレビドラマ「マグマ大使」(フジテレビ系)の主題歌中に『SOS!SOS!』と連呼する箇所があったが、問題なくオンエアーされていた。これは音声による遭難信号は「メーデー」であって、「SOS」ではないからである。 しかし、その知名度は圧倒的にSOSの方が高い。モールス符号による遭難信号が廃止されたとはいえ、助けを求める言葉・文字としてSOS が広く社会に浸透しているため、形を変えて事故や災害現場で利用されることが少なくない。 2014年(平成26年)4月にオーストラリアで砂州に取り残された5名が砂浜に巨大SOSを書いてヘリコプターに発見された事件や、2016年(平成28年)8月にミクロネシアの無人島の砂浜に書かれたSOSの文字を海軍の航空機が発見し、二人の遭難者が救出されたこともあった。 また日本でも東日本大震災や平成28年熊本地震などの大規模災害時に、食糧や水、負傷者の搬送などを求めるため、避難所となった学校の校庭や屋上などに、上空を飛ぶ飛行機やヘリコプターに見えるように大きく SOS の文字を作っている様子が見受けられた。 なお、国際民間航空機関(ICAO)は国際民間航空条約の附属書12「捜索および救難」において対空目視信号(Ground-Air Visual Signal Code)を定めている。これによれば「V」に"Require assistance(救助を要す)"、「X」に"Require medical assistance(医療援助を要す)"などといったシンボルが規定されている。 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が「SOS」の文字と受話器や押しボタンを組み合わせて、非常電話・非常ボタンを表すピクトグラムを策定しており、日本産業規格のJIS Z 8210でも同デザインで採用され、鉄道車両内や鉄道駅などに表示されている場合がある。 モールス符号の SOS からの派生として、何かの信号を3回ずつ一定間隔で繰り返すことで、救助を求める信号となる(例:光を3回点滅させる、笛を3回鳴らす、銃を3回発砲する、石を3個重ねる、3本の棒切れを等間隔に立てる、周辺の物を燃やして3つの煙を等間隔に立てる、三角を描くように飛行する)。 またAppleが2017年(平成29年)9月20日にリリースしたiPhoneのiOS11から「緊急SOS」機能が追加され話題をよんだ。これは緊急時にロックされたiPhoneから警察、海上保安庁、救急や消防へ通報できるものである。
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