王室メンバーを引退、アメリカに移住
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 06:06 UTC 版)
「ヘンリー (サセックス公)」の記事における「王室メンバーを引退、アメリカに移住」の解説
2020年1月8日、ヘンリー夫妻は「主要王族の立場から引退し、(長男アーチーと共に3人)一家で英国と北米を行き来しながら生活する」とインスタグラムにて発表した。「妻は財政的に王室から自立するために働く考えである」という。BBC(英国放送協会)の報道によると、この発表は祖母エリザベス女王と父チャールズ皇太子への相談なしに行われており、バッキンガム宮殿は夫妻の決定に「失望している」と声明を発表している。 夫妻のこれまでの経費の95%は父のチャールズがコーンウォール領から得る収入から出ており、残りの5%は国民の税金から出る王室助成金であるという。夫妻はこの王室助成金を辞退する考えであるが、主な経費を出しているチャールズは「金銭的な合意は、夫妻が王室で務める役割次第である」と明言したと英タイムズ紙は報じている。 夫妻は2019年8月に「MWX Trading Ltd」という会社を設立しており、同年6月に「Sussex Royal」という商標を申請済みで、現地報道では4億ポンドのグッズ収入が見込まれているという。 1月13日にエリザベス2世女王は声明を発表し、ノーフォーク州のサンドリンガム・ハウスでヘンリー夫妻、チャールズ皇太子、ウィリアム王子らと話し合いを行ったことを明らかにした。「本当は王室メンバーとしてフルタイムで公務を行う方が望ましいと思っていますが、家族の大切な一員であり続ける一方、より独立した生活を送りたいという2人の願いを尊重し、理解しています」とした上で、「サセックス公爵夫妻がカナダとイギリスで生活する移行期間」を設けることを認めたという。 同月18日にバッキンガム宮殿は、2020年春よりヘンリー夫妻が公務を離れ、HRHの称号を返上して「サセックス公爵夫妻」となること、「ウィンザーにあるフロッグモア・コテージの改修に使われた240万ポンドの費用も返済する」と発表した。この発表後の19日にヘンリーは支援する慈善団体のイベントで演説し、「私たちの希望は、公的資金を受け取らずに女王やイギリス連邦、イギリス軍に仕え続けることだったが、残念ながらそれは不可能だった」と説明。「こうなってしまったのは非常に悲しい」と話している。 同年2月19日、イギリス王室は「ヘンリー夫妻は2020年3月31日をもって、王室の公務から引退する」と発表した。女王エリザベス2世は王室の公務から引退する二人に対し、王室を意味する『Royal』という言葉の入った商標『Sussex Royal』の使用を禁止させる」という。「商標出願は削除され、ヘンリー夫妻は今後Royalと言う言葉を使用しない」という。 同年6月、ヘンリー夫妻が講演会を専門とするエージェントでクリントン元大統領やオバマ前大統領夫妻なども手がけるハリー・ウォーカー・エージェンシーと契約を結んだことが報じられた。 2020年9月、ヘンリー夫妻はNetflixや音楽ストリーミングサービスのSpotifyと8千万ポンド(約120億6700万円)の複数年契約に署名した。この契約でヘンリー夫妻はNetflixで放映される「The Crown」について発言することは禁じられているという。 2021年2月19日、イギリス王室はヘンリー夫妻が王室の公務に復帰しないことと発表した。エリザベス女王がヘンリーと話をして「王室の仕事から離れれば、公務の義務や責任を果たすことは不可能である」と確認したという。それに従い、英海兵隊や英空軍の名誉称号、クイーンズ・コモンウェルス・トラスト、イングランド・ラグビー協会、ラグビー・フットボール・リーグ、ロイヤル・ナショナル・シアターなどのパトロン(後援者)としての公的地位を夫妻は返上し、他の王族がその役割を担うこととなるという。 同年3月23日、アメリカの新興企業ベターアップ社はヘンリーが同社の最高インパクト責任者に就任したことを発表した。
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