独自給付
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 10:20 UTC 版)
第1号被保険者としての保険料納付済期間を有する者が要件に該当した場合に支給される。なお、任意加入被保険者は、独自給付の規定の適用にあたっては第1号被保険者とみなされる。また、特例任意加入被保険者は死亡一時金、脱退一時金の規定の適用についてのみ、第1号被保険者とみなされる。 死亡一時金、脱退一時金の「保険料納付月数」とは免除を受けない月数での計算である。また、半額免除、4分の1免除、4分の3免除の場合、納付した割合が免除を受けない月数分に相当する場合も該当する(半額免除の場合だと月数は2倍必要となる)。全額免除の場合は月数にカウントされない。また、 「生計同一関係」とは、被保険者と住居及び家計を共同にすることを言い、「生計維持関係」とは、生計同一関係に加え同居家族一人あたりの年収が850万円未満の場合を指す(健康保険法における同居家族一人あたりの年収130万円未満と比べて条件が緩やかである)。 付加年金 第1号被保険者としての保険料全額納付月においてさらに付加保険料(月額400円)を納付すれば、老齢基礎年金の受給権を取得したときに年間200円(1月納付)から96,000円(480か月=40年納付)の範囲で老齢基礎年金に付加されて年金額が増える。詳細は老齢年金#付加年金を参照のこと。 寡婦年金 第1号被保険者期間としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合わせて10年以上ある夫が、老齢基礎年金又は障害基礎年金を受けないで死亡した場合に、10年以上婚姻関係があり夫により生計を維持されていた妻に、60歳到達月の翌月から65歳到達月までの間支給される。詳細は遺族年金#寡婦年金を参照のこと。 死亡一時金 第1号被保険者として保険料を36か月以上納付した人が老齢基礎年金又は障害基礎年金を受けないで死亡し、遺族基礎年金の支給を受けることのできる遺族がいない場合に、生計を同じくしていた遺族に対し、保険料納付月数により12万(36か月以上180か月未満)〜32万円(420か月以上)が支給される(死亡一時金に関しては生計維持関係まで問われない)。詳細は遺族年金#死亡一時金を参照のこと。 脱退一時金 第1号被保険者として保険料を6か月以上納付した日本国籍を有しない人(被保険者でない者に限る)が老齢基礎年金の受給資格期間を充たさず出国した場合に、資格喪失日から2年以内に請求することで支給される。当分の間の経過措置である(1994年(平成6年)11月9日において日本国内に住所を有しない者には支給されない)。短期滞在の外国人が、保険料の掛け捨てとなることを防止する目的がある。それゆえ日本国内に住所を有するときは請求できない。 保険料納付月数と、最後に保険料が納付された月の属する年度によって支給額が変わる(2006年(平成18年)度以後の脱退一時金の額は、2005年(平成17年)度の支給額に、当該年度と2005年(平成17年)度の保険料の額の比に応じて政令で定めることされる)。なお、特定技能1号の創設により期限付きの在留期間の最長期間が5年となったことや、近年、短期滞在の外国人の状況に変化が生じていること等から、2021年(令和3年)4月より(同年4月以降に年金の加入期間がある場合)、月数の上限が36か月(3年)から60か月(5年)に引き上げられた。 最後に保険料が納付された月が2021年(令和3年)度の場合における脱退一時金支給額保険料納付月数支給額保険料納付月数支給額6か月以上12か月未満49,830円 36か月以上42か月未満298,980円 12か月以上18か月未満99,660円 42か月以上48か月未満348,810円 18か月以上24か月未満149,490円 48か月以上54か月未満398,640円 24か月以上30か月未満199,320円 54か月以上60か月未満448,470円 30か月以上36か月未満249,150円 60か月以上 498,300円 脱退一時金の支給を受けると、その計算の基礎となった期間、第1号被保険者でなかったものとみなされる。 障害基礎年金・障害厚生年金の受給権を有したことがあるときは支給されない。また、付加保険料を納めていたとしても加算はされない。 脱退一時金の請求は出国後郵送で行うこととされていたが、外国人技能実習適正化法の施行により、平成29年3月1日より日本国内での請求も可能となった。
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