測量と経路の選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:41 UTC 版)
「笹子トンネル (中央本線)」の記事における「測量と経路の選択」の解説
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} 第1回笹子峠三角測量 第2回笹子峠三角測量 鉄道敷設法により中央本線の建設が決定した後、八王子起点か御殿場起点かを決定するための実測が1893年(明治26年)に行われた際には、笹子峠を15分の1(66.7パーミル)勾配のアプト式ラック鉄道で越える計画となっていた。しかしその輸送力の小ささに陸軍が難色を示し、翌1894年(明治27年)に再度の測量が行われ通常の粘着式鉄道により勾配を30分の1(33.3パーミル)とした線および40分の1(25パーミル)とした線の2案が作られて比較された。15分の1線に対し、30分の1線は1マイル19チェーン(約2.0 km)、40分の1線は2マイル54チェーン(約4.3 km)長く、笹子トンネルの長さはそれぞれ10,560フィート(約3,219 m)、15,576フィート(約4,748 m)と見積もられた。この区間全体に対する工費見積もりはそれぞれ513万8974円、617万9761円で、うちトンネルの工費見積もりはそれぞれ158万4000円、272万5800円とされた。このように40分の1線を採用すると工費は増加するのであったが、その差は少ないと見なされ、またより線形に優れた線路を建設できるとされて、40分の1線が採用されることになった。なおこれにより選択されたトンネルは、厳密には笹子峠ではなく米澤峠の下を通ることになった。 笹子トンネルは中央東線の中でももっとも難工事が見込まれ、およそ8年の工期が予定されていた。このため中央東線全体を早く開通させるためになるべく早く着工する必要があり、1896年(明治29年)5月に八王子に建設工事の事務所が設置されると、すぐに路線建設のための詳細な測量を開始した。6月上旬に笹子峠の三角測量および水準測量が開始され、10月下旬に終了した。この際には雲や霧で見通しが遮られて大変な苦労をしたとされる。笹子側および初鹿野側に基線を設け、峠の上に設置した三角点との間での三角測量を実施した。トランシットは当初測定精度が1分角のものしかなくしかも古かったために苦労することになった。三角測量との検測を行うために定規を使った測量も行われ、梯子を掛けたり縄を垂らしたりして断崖をよじ登りながら苦労して測定が行われ、結果として三角測量との差は小さかったことから三角測量の値が採用された。水準測量については甲州街道に沿って測量を行い高低差を確定した。その後、トンネルの向きに少し変更が必要とされることになったため、12月に改測を行って最終確定とした。この改測では当時最新のトランシットを導入して20秒角まで測定できるようになり、精度が改善された。 最終確定したトンネルは、北都留郡笹子村字黒野田に東側坑口を設け、東八代郡日影村を通って東山梨郡初鹿野村に西側坑口を設けるものとなった。東口は笹子川の峡谷のほぼ終点にあり両側とも山に囲まれた地形で、西口は日川の断崖に面した位置にある。線形は、両側坑口の外に半径20チェーン(約400 m)の曲線があるもののトンネル内は完全な一直線で、山脈をほぼ直角に横断することからトンネルを最短距離に抑えられている。方角は真南から東側へ35度 - 真北から西側へ35度の線である。キロ程では八王子起点33マイル20チェーン50リンク(約53.2 km)から36マイル11チェーン50リンク(約57.8 km)の延長2マイル71チェーン(約4,647.2 m)となり、また標高は両側坑口で2044.05フィート(約623.0 m)、トンネル内の勾配は800分の1(1.25パーミル)で最高点標高が2053.58フィート(約625.9 m)となった。 当初の概算予算に対してより詳細な見積もりを行う際には、この規模のトンネルの前例がないため見積もり根拠に苦労することになった。結局通常のトンネルの倍を要するものとして1フィート(約30 cm)あたり250円(うち工費150円、材料費100円)とし、総予算は383万円と見積もった。
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