海氷
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「ニンバス (人工衛星)」の記事における「海氷」の解説
1972年のニンバス5号打ち上げ時には、マイクロ波放射計を用いて、全地域の降雨量を調査することが計画されていた。一方で、打ち上げの数ヵ月後には観測装置の新たな優先項目が立ち上がってきた。全球的な海氷分布(海氷密接度分布)の作成である。ニンバス7号が打ち上げられた1978年には、技術の発展により、形成して1年の新しい海氷と他の古い海氷とを分類することができるようになっていた。ニンバス7号の9年にわたる観測の結果、今日の科学者達が気候変動研究に用いている地球の海氷分布の長期的な記録が得られた。 ニンバスシリーズが明らかにした数々の予期せぬ科学的発見の中に、1974年から1976年の南半球冬季に出現した南極海の大規模疎氷域(海氷が少ない領域)がある。ポリニヤと呼ばれた海氷に覆われない巨大な領域は、1974年から1976年の3年間の間だけ、冬季に南極を囲む海氷の中に出現した。ウェッデル海に出現したこのポリニヤは夏季に海氷が解けると一旦は消滅したが、翌年の冬季には再び出現したのである。この海氷に覆われない海面部分は、水深2500mの海水温にまで影響を及ぼした可能性があり、同様に広く海洋循環に影響を及ぼしたのではないかと考えられている。ウェッデルポリニヤは70年代中頃のニンバス7号の発見以来、観測されていない。
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海氷
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海氷は極地域の海洋の大部分を覆い、海水が凍ることによって形成される。1970年代初頭からの人工衛星のデータによって、南北両半球を覆う海氷のかなり季節的、局所的な、1年ごとの変化が示されている。季節によって、南半球の海氷域面積(すきまを含めた海氷が分布する範囲の面積)は5倍の幅で、すなわち最も小さい2月の300~400万km²から最も大きい9月の1700~2000万km²まで変化する。季節的変化は、北半球で、北極海の閉鎖的な性質と緯度の高さゆえにより広い範囲の海域が年中氷に覆われ、またその海域を囲む陸地が冬季に氷が赤道方向へ拡大するのを抑制しているので、南半球よりも非常に小さい。北半球の海氷域面積は2倍の幅で、すなわち最も小さい9月の700~900万km²から最も大きい3月の1400~1600万km²まで変化する。 海氷による被覆は半球規模でみるよりも地域規模でみる方が年々の変化率が大きく表れる。例えば、オホーツク海域及び日本海域では、海氷域面積の最大値は1983年の130万km²から1984年の85万km²へと35%も減少し、次の1985年では120万km²に再び増加している。南北両半球での地域的な変動はかなり大きいので、人工衛星の記録のどの数年間をとってみても海氷域面積が減少している地域と増加している地域の両方が存在する。1978年から1995年中頃までの受動マイクロ波の記録によって示された全般的な傾向として、北極の海氷域面積は10年に2.7%の割合で減少している。また、続いて人工衛星の受動マイクロ波のデータにより得られた結果からは、1978年10月の終わりから1996年終わりにかけて北極の海氷域面積は10年に2.9%の割合で減少している一方で、南極大陸の海氷域面積は10年に1.3%の割合で増加していることがわかった。
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