海氷の形成とは? わかりやすく解説

海氷の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 10:18 UTC 版)

海氷」の記事における「海氷の形成」の解説

海氷は、海表面のごく表層氷点下まで冷却され冷却によって上層から深度100-150 mにある密度躍層密度急増する層)まで対流が起こることで形成される凪いだ海面表層形成される最初の氷(晶氷)は、直径2-3 mm以下の微小な円盤状の形で、ばらばらの結晶スープのように表層漂っている。それぞれの円い板状粒子はC軸(結晶主軸)が垂直で平方向に成長する。ある時点までこの円盤状の形は不安定で、それぞれの結晶六角形星型脆弱な伸ばして成長する針状結晶)。これらの結晶もC軸が垂直である。状のは非常にもろくて壊れやすく、円盤状と状の結晶混合した態となる。水面わずかな乱れで、これらの破片不定形な形の微細な結晶破壊され密度増しながら表層水浮遊する。これはグリースアイス呼ばれる静穏な状態では結晶はすぐに凍結して集合し連続した薄い氷の膜となる。この初期段階はまだ氷は透明であり、ニラス呼ばれる。数cm厚さまでは透明であるが(暗いニラス)、成長して厚くなるにつれてニラス灰色に、更に白くなってゆく(明るニラス)。一度ニラス形成されると、成長パターンは全く異なったものになり、水分子凍結が氷の層の下部にまで進んでゆく。これが凍結成長呼ばれるプロセスで、一年氷形成され、ひと冬で1.5-2 mまで成長する板状軟氷)。 荒れた海では、海洋冷却され熱が大気奪われることで新し海氷形成される海洋の最表層氷点よりやや低い温度まで過冷却されると晶氷形成される晶氷増えるにつれて氷は海表面粘度増しグリースアイスになる。晶氷形成過冷却ではなく降雪で始まることもある。 これらの氷の粒子は波と風によって大きな板状密集し直径数mのはす葉氷形成する。これらは海洋表層を漂ううちに互いに衝突し縁がめくれ上がっている。そしてはす葉氷の板は圧縮され一つの氷の塊になり凍結密氷域形成する海氷は、氷の形成集合時に海水含まれる塩分排出されるので、それ自体ほぼ淡水である。その結果形成される高塩分で高密度のブライン)が海洋大循環重要な影響与えている。

※この「海氷の形成」の解説は、「海氷」の解説の一部です。
「海氷の形成」を含む「海氷」の記事については、「海氷」の概要を参照ください。

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