海底のプリンス・オブ・ウェールズと違法サルベージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 09:59 UTC 版)
「プリンス・オブ・ウェールズ (戦艦)」の記事における「海底のプリンス・オブ・ウェールズと違法サルベージ」の解説
沈没地点 北緯3度33分36秒 東経104度28分42秒 / 北緯3.56000度 東経104.47833度 / 3.56000; 104.47833は比較的浅い海(水深68m)であり、レパルスほどではないにしてもプリンス・オブ・ウェールズも比較的到達容易な水深に沈んでおり、晴天時には海面から船体が確認できるほどである。宇垣纏(当時、連合艦隊参謀長)は戦場日記『戦藻録』に「否水深三〇米引揚は極めて容易、我戦艦籍に二隻を加ふるも近き事なるべく藻屑とならざるべし」と記述して、プリンス・オブ・ウェールズとレパルスのサルベージと日本戦艦籍編入を思案していたが、実現しなかった。軍令部でも引き揚げを狙い、サルベージの派遣手続きを取っている。1942年(昭和17年)1月下旬、小沢長官は海防艦「占守」と第一掃海隊(掃海艇部隊)に、ウェールズとレパルスの沈没位置を特定するよう命じた。2月1日、占守はウェールズの位置を確認して浮標を設置した。 ウェールズの船体は完全に転覆した状態で沈んでおり、舷側には大小4箇所の破損穴が海底調査で発見されている。船首部の破損穴は完全に貫通している。また右舷外側スクリューシャフト基部の破損穴は500キロ爆弾の爆発によって生じた可能性があると海底調査では記載されている。海底調査は2回実施されており、最近の調査では破損穴の1つが土砂で埋まっており観察できない状態になっていることが報告された。沈没時に弾薬庫の誘爆がなかったので、船体には大きな損傷は認められていない。 日本軍の戦闘報告では魚雷命中数は6本以上となっているが、海底調査での破孔の数との乖離は、爆弾の至近弾の見間違いや同一命中を複数カウントされているためで、ドイツの戦艦ビスマルクの船体調査でも同じ事が報告されている。 2014年に中国の違法サルベージ業者によりレパルスと共に破壊行為を受けていることが報じられ、作業を行っていた船員が拘束された。爆発物を船体に取り付けて破壊し、破片をクレーン船で引き上げるという手法で鉄屑が回収されていた。
※この「海底のプリンス・オブ・ウェールズと違法サルベージ」の解説は、「プリンス・オブ・ウェールズ (戦艦)」の解説の一部です。
「海底のプリンス・オブ・ウェールズと違法サルベージ」を含む「プリンス・オブ・ウェールズ (戦艦)」の記事については、「プリンス・オブ・ウェールズ (戦艦)」の概要を参照ください。
- 海底のプリンス・オブ・ウェールズと違法サルベージのページへのリンク