水環境保全センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/20 14:13 UTC 版)
「京都市上下水道局」の記事における「水環境保全センター」の解説
下水処理場を「水環境保全センター」と呼称している。浄化処理してから淀川水系に放流されるが、下流の阪神地区では再度浄水として使用されるために、京北町の京都市編入で移管された「京北浄化センター」を除き、通常の下水処理に窒素リンを除去する高度処理をおこない、さらに「鳥羽水環境保全センター吉祥院支所」「伏見水環境保全センター」では友禅染の色素を除去するためにオゾン処理を導入している。その結果BOD は国の基準・水1Lあたり 20 mg を下回る 3 mg 前後まで浄化される。 鳥羽水環境保全センター 京都市最大の下水処理場、と言うか西日本最大の下水処理場で、東京都の「森ケ崎水再生センター」に次いで2番目の大きさを誇る。1日当たりの処理能力は991,000㎥(吉祥院支所も含む)。2013年より施設の上部をソーラーパネルで覆い1MWの太陽光発電を行っている、ほか汚水処理の段階で発生する消化ガス(メタンガス)を使い汚泥の焼却に利用していて、焼却灰はセメントの原料などに再利用されている。また2021年度より汚泥を固形燃料に加工する施設が完成予定。 鳥羽水環境保全センター吉祥院支所 1934年に開設された京都市最古の下水処理場、1日当たりの処理能力は34,000㎥。通常の下水処理の上にステップ流入式多段硝化脱窒法・嫌気-好気法・オゾン処理の高度処理で窒素リン色素を除去してから桂川支流に放流している。 伏見水環境保全センター 京都市伏見区横大路に有る下水処理場、1日当たりの処理能力は141,000㎥。通常の下水処理の上にステップ流入式多段硝化脱窒法・嫌気-好気法・オゾン処理の高度処理で窒素リン色素を除去してから宇治川に排水している。 石田水環境保全センター 伏見区醍醐石田に有る下水処理場、1日当たりの処理能力は126,000㎥。山科区と伏見区醍醐地区の汚水処理だけでなく、山科川流域の上流部の大津市藤尾小金塚地区の汚水も一緒に処理している。2013年3月までは北隣の東部クリーンセンター(ゴミ焼却処理場)の廃棄物発電の電力供給を受け、汚水処理で発生する汚泥をクリーンセンターで焼却してもらっていた(クリーンセンターは老朽化で休止)。東側に石田団地、山科川を挟んで西に小栗栖団地に隣接しているため、開設当時から悪臭対策として沈殿池を密閉式にしてあり、現在その上に1MWのソーラーパネルを設置して太陽光発電をしている。また山科川へ処理水を放流時には高低差を利用したマイクロ水力発電(9KW)が行われている。 京北浄化センター 京北町が市町村合併で京都市に編入されたために、京都市上下水道局に移管された下水処理場。処理水は桂川へ放流される。 参考文献・京都新聞連載記事「潤いをとどけて・京都市水道100年」2012年8月21日掲載『8)返したい美しい水』/ 京都市印刷物 第026021号『京の水だより Vol.12 京都市下水道90周年(2020年8月)』 / 京都市上下水道局技術管理室管理課2020年10月発行「京都市水道事業・公共下水道事業『環境報告書2020』」
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