悪臭対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:59 UTC 版)
堆肥化の過程では、悪臭が発生するので悪臭対策は必須である。堆肥化施設には、施設内で発生した悪臭を一か所に集め、脱臭施設を併設することが多い。また、脱臭を行うために、適正な堆肥化を行い悪臭を少なくすることも重要である。悪臭の主な成分は硫黄化合物、低級脂肪酸、アンモニアなどである。硫黄化合物や低級脂肪酸は、反応槽内が嫌気状態になったとき多量に発生するため、水分と通気を調節して、反応槽内を好気状態に保つことで発生を防ぐことができる。 しかし、アンモニアに関しては、適正に堆肥化が行われても数千ppmの濃度で大量に発生してしまう(アンモニアが発生しないと適正な堆肥化が行われていないともいえる)。そのため、堆肥化施設はなるべく民家から離れた場所に設置されることが多い。また、脱臭方法にもさまざまな方法がある。 生物脱臭法 脱臭材料中の水分または水溶液に、悪臭成分を吸着させ、脱臭材料中に存在する微生物によって悪臭成分を分解する。この方法は、ランニングコストはかからないがなく安価でできるが、微生物の処理能力の以上の悪臭には対応できない。脱臭材料には土壌、ロックウール、堆肥、ピートモス、オガクズなどが利用されている。 水洗法 水に悪臭物質を溶解させる方法。アンモニアなど水に溶けやすい悪臭物質に効果的であるが、水が大量に必要なことと排水対策が必要である。 燃焼法 800℃近くの高温で悪臭成分を酸化分解させる高温燃焼法と、300℃前後で白金などの触媒を使い脱臭させる低温燃焼法がある。脱臭能力は高いが、コストも高い。 薬液処理法 希硫酸などの酸液やカセイソーダなどのアルカリ液と悪臭成分を反応させ、化学反応で除去する。薬剤のランニングコスト、処理費が必要。 マスキング法 芳香成分を悪臭に混ぜる方法。悪臭が強い場合大量の芳香成分が必要になる。また、根本的な解決にはならない。 オゾン酸化法 オゾンにより悪臭成分を酸化分解する方法。オゾン臭のによりマスキング効果もある。しかし、アンモニアに対しては効果が薄い。取扱いを間違えると呼吸器疾患の恐れもある。
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