死刑執行数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:55 UTC 版)
死刑の執行は法務大臣が最終決裁するので10人以上の年度も執行されなかった年度もある。1980年7月以後に就任した現職以外の歴代法務大臣39人中で死刑を執行しなかった法務大臣は12人存在し、1949年に現行の刑事訴訟法が施行されて以後で死刑の執行がなかった年度は7年存在するので、2007〜2008年の執行増加が長期的に継続するとは予測できない。 鳩山は13人の死刑執行を許可したが(近年の死刑執行者一覧に記す)、21世紀に入って死刑判決が確定したものが10人含まれており、判決確定から執行までの平均年数を押し下げている。その一方で確定10年以上が経過し、冤罪として再審請願をしていない死刑囚も残されている(未執行死刑囚一覧に記述)。2002年9月には当時の死刑囚56人のうち、確定順位36番目と37番目(いずれも1998年確定)の者に死刑が執行されたほか、2004年には確定1年未満の宅間守が処刑された。 これについて、別冊宝島『死刑囚最後の一時間』[要ページ番号]では、2004~2012年の間に起こった厳罰化に伴う死刑判決が2桁へと激増した時期があり、その影響により死刑囚の増大に執行が追いつけなくなっている。そのため2007年以降、死刑囚が100人を超える状況が続いているが、法的に再審や恩赦を求めている死刑囚を処刑することは可能(過去には再審請願中に処刑したケースもあった(「長崎雨宿り殺人事件」など)。また宮崎勤死刑囚は再審請求を準備しており、その旨を弁護人から法務省に伝えてあった)であるが現在では再審請求中の死刑囚に対し執行される可能性は少ない。そのため現実に古くから確定している死刑囚はこれらの事情があるため、事実上死刑執行が「ブロック」されている。よって確定から年数がたっていなくても「やりやすいところからどんどん執行する」方針だとしている。 2010年7月に千葉景子は、2009年9月の法務大臣就任以来初めて2名の死刑執行を指示し立ち会った。千葉は2010年7月28日に2名の死刑執行の指示を出し自ら死刑執行に立ち会ったことを報告し、死刑制度のありかたについての国民的議論のための勉強会を立ち上げる考えを示した。それまで死刑執行命令について慎重な立場を示していた千葉が情報公開の推進等に積極的な進展をもたらさないまま死刑を行ったことについて日本弁護士連合会は批判した。 2018年7月には、オウム真理教事件における死刑囚13名の死刑執行が2度に分けて行われた。6日の7名死刑執行を受けて龍谷大学犯罪学研究センター長の石塚伸一は、「日本国憲法下で、ひとつの事件で、ここまでの人数が死刑になったのは初めて」と述べ、26日の6名死刑執行を受けて上川陽子は、同月内に2度死刑を執行するのは、執行状況を公表するようになった1998年11月以降初めてであると明らかにした。
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