森林窃盗罪
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森林窃盗罪 | |
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法律・条文 | 森林法197条 |
保護法益 | 財産権 |
主体 | 人 |
客体 | 森林産物 |
実行行為 | 窃取 |
主観 | 故意犯、不法領得の意思 |
結果 | 結果犯、侵害犯 |
実行の着手 | 占有侵害行為を開始した時点 |
既遂時期 | 財物の占有を取得した時点 |
法定刑 | 3年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
未遂・予備 | 未遂罪(204条) |
日本の刑法 |
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刑事法 |
刑法 |
刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰 |
罪刑法定主義 |
犯罪論 |
構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯 |
間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯 |
不能犯 ・ 因果関係 |
違法性 ・ 違法性阻却事由 |
正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難 |
責任 ・ 責任主義 |
責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱 |
故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤 |
過失 ・ 過失犯 |
期待可能性 |
誤想防衛 ・ 過剰防衛 |
共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯 |
共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯 |
罪数 |
観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪 |
刑罰論 |
死刑 ・ 懲役 ・ 禁錮 |
罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収 |
法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑 |
自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予 |
刑事訴訟法 ・ 刑事政策 |
森林窃盗罪(しんりんせっとうざい)とは、森林においてその産物を窃取することを内容とする犯罪である。旧刑法373条に由来する犯罪類型であり、現在は森林法197条に規定されている。
概要
森林窃盗罪は、窃盗罪(刑法235条)の特別減軽類型である。本罪の法定刑が窃盗罪に比べて著しく減軽されている理由は、一般的に森林内では権利者の管理・占有の程度が緩やかであり、客体である森林産物は盗まれやすい状態に置かれていること、また、森林産物は土地に定着して生育する物であり、他の動産と比べて財産的価値が少ないこと等から、類型的に違法性が小さいと考えられたためである。
構成要件
客体
本罪の客体は「森林より産出する一切の物」(森林産物)であり、有機的産出物(森林内に生育している松茸やタケノコ等)だけでなく、無機的産出物をも含むとされる。したがって、例えば熔岩が森林の台地を成している場合、その熔岩は森林産物にあたる(東京高判昭和46年10月26日)。
なお、刑法242条の規定は適用されないため、他人が占有する自己の財物は本罪の客体にはならない(最判昭和52年03月25日)。
「森林において」の意義
「森林において」とは、本罪の客体である森林産物の生育していた森林またはこれと同一とみなすことのできる森林内であることを意味する。したがって、ある森林内に他の森林の産物が搬入されていた場合、当該産物を窃取したとしても本罪は成立しない。「他の森林の産物を搬入した場合のその産物に対する権利者の支配力は、通常の森林産物に対するそれよりも概して特別強度に働く」(最判昭和37年12月26日)ためである。
その他
本罪は窃盗罪の特別類型であることから、上記以外は窃盗罪の構成要件と共通する。
法定刑
3年以下の懲役又は30万円以下の罰金である。ただし、保安林の区域内において犯したものであるときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。
未遂犯
本罪の未遂犯は処罰される(森林法204条)。
親族相盗例
刑法244条の親族相盗例の規定は、本罪にも適用される。
森林窃盗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 05:58 UTC 版)
私有・公有問わず日本には所有者のいない山林は存在しない。所有者の許可なく山菜を採取する行為は森林窃盗罪にあたる。また、国立公園などは自然公園法の規定により植物の採取が禁止されている場合がある。 慣例的にある程度の採取が黙認されていることもあるが、『関係者以外入山禁止』や『動植物・鉱物採取禁止』との明示がある山林に侵入し山菜の採取を行うことは明らかに違法である。例えば2009年5月中旬、中部山岳国立公園の燕岳山麓の国有林内で『動植物の採取全面禁止』を無視か軽視してギョウジャニンニクを採取していた会社員ら4人が森林法違反(森林窃盗罪)容疑で取り調べを受け、後に書類送検されるなど摘発例は少数ながらも存在する。 また山村において入会地のような場所として地元住民の山菜採りが認められてきた山林に、外来者が踏み込んで山菜を採取していくことにより地元住民との軋轢が発生する場合もある。この場合においても、いかなる事情であれ山林の所有者が許可しない山菜採りを合法化することはできない。
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