有名な蒸気船
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シリウス号(アイルランド、SS Sirius, 1837) - 建造段階から「グレート・ウェスタン」「ブリティシュクイーン」(1839年完成)との蒸気船3隻による太西洋初横断記録の競走となり、見事勝利して1838年に初めて蒸気機関の力のみを利用して大西洋横断に成功した定期航路蒸気船である。1838年3月28日ロンドン発(4月4日コーク寄港)~4月22日(午後10時ハミルトン要塞沖投錨)ニューヨーク着。平均速度6.7kt。石炭450トンやロジンなど全ての燃料が尽きたため最後の数日間は船内の木製調度品を炉にくべていた。(元沿岸航海用外輪蒸気船、703総トン、船長60.9m、船幅7.62m、2本マスト、320馬力、9kt) その後の1847年1月16日、コークとバリコットンの沖で座礁沈没。8人乗り救命ボートに乗った数十名のうち20名死亡、本船に残り他の船に助けられた71名は怪我もなく生存。数少ない生存者の持ち物も救命艇の着いたバリコットンの近くの岸で地元民により略奪され全てが失われた。 グレート・ウェスタン号(イギリス、SS Great Western, 1838) - 1838年4月8日にブリストルを出発し、シリウス号に遅れること数時間でニューヨーク到着した。(遠洋航海用外輪蒸気船、1,320総トン) ヴェガ号(スウェーデン、SS Vega) - 1878年、学者ノルデンショルドによって史上初めてシベリア沿岸の北東航路を制覇した蒸気船。1879年に日本の横浜港に寄港し、世界中にセンセーションをまき起した。 タービニア号(イギリス、Turbinia, 1897) - チャールズ・アルジャーノン・パーソンズによって開発された蒸気タービン機関を搭載した実験船。当初、海軍に購入を働きかけたが、海軍首脳部には蒸気タービンのレシプロ式蒸気機関に対する優位性が理解されず、断られた。そこで1897年ポーツマスで行われたビクトリア女王の観艦式において突然参加してデモンストレーションを行い、蒸気タービンの優位性をアピールした。 タイタニック号(イギリス、RMS Titanic, 1912) - 1912年4月15日、北大西洋航路で氷山に衝突し沈没した豪華客船。推進軸3軸のうち両舷の2軸を高圧蒸気によるレシプロ式蒸気エンジンで駆動し、この蒸気エンジンの排気である低圧蒸気を蒸気タービンに導き中央軸を駆動する複式蒸気機関を採用していた。
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