有名な触媒反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 09:31 UTC 版)
新しい触媒が開発されると、社会的にも非常に大きな影響を与えることがある。 ハーバー・ボッシュ法 - 史上初めて人工的に窒素をアンモニアへと変換した反応。二重促進鉄触媒を用いる。1918年ノーベル化学賞。 チーグラー・ナッタ触媒 - ポリエチレンなど、優れた特性を持つ高分子の生産を可能とした。チタン錯体を触媒とする。1963年ノーベル化学賞。 メタセシス反応 - 有機合成で極めて多用される、2つのオレフィンの結合を組み替える反応。ルテニウムを中心とするグラブス触媒が用いられる。2005年ノーベル化学賞。 クロスカップリング反応 - 炭素-炭素結合を作るうえで欠かせない反応。辻二郎によるパラジウムを用いた炭素-炭素結合形成反応の発見を契機に、多くの日本人化学者が関与した。鈴木・宮浦カップリング、右田・小杉・スティルカップリング、根岸カップリングなど、パラジウム錯体の用例が多い。2010年ノーベル化学賞。 不斉反応 - 対掌体の一方のみを選択的に得る。金属錯体を中心に、数々の触媒が開発されている。2001年ノーベル化学賞。 燃料電池 - 水素やメタノールを燃料として発電する装置。固体高分子型燃料電池 (PEFC) は室温付近の温和な条件で機能するが、2006年現在では、電極触媒として高価かつ資源量の少ない白金やCO耐性のある白金ルテニウム合金を使用しないと高い電力を取り出すことができず、普及には貴金属使用量の劇的な削減が必要である。
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