明治期の扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:34 UTC 版)
1895年(明治28年)に創業した洋食料理店・煉瓦亭では様々な魚介類のフライが試行錯誤されたが、カキフライ、エビフライなどが採用されたのに対し、アジフライは同店の代表的なメニューには挙げられていない。また、昭和初期に創業した豚カツ・フライの専門店である小田保によると、明治初期の西洋料理指南書にはカキフライやエビフライの記載はあったものの、アジフライの記載はなかった。同店は、フライ料理は当時高級料理であり、家庭でも一般的だったアジは除外されてしまったのだろうかという趣旨の推測をしている。 これに対し、煉瓦亭の創業と同じ1895年に刊行された家庭向け料理解説書『家庭叢書 第8巻 簡易料理』には、 魚類の「フライ」を製するには、淡白なる魚類(譬えば.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}鯛(たい)、比良魚(ひらめ)、鯊(はぜ)、あなご、鮎(あゆ)、鰺(あじ)等)を切身に〔中略〕米利堅粉(めりけんこ)にくるみ卵黄(きみ)をぬり麺麭粉(ぱんこ)に轉(ころ)ばし脂揚(あぶらあげ)を為すこと —家庭叢書 第8巻 簡易料理,民友社 という記載があり、魚類のフライについて解説する中で、フライに適した魚としてタイ、ヒラメ、ハゼ、アナゴ、アユと並んでアジを例示している。また、主婦で料理研究家の村井多嘉子が1907年(明治40年)から対談形式で連載した『弦斎夫人の料理談』では 先づ鰺のゼイゴと腸を取って三枚に下ろします。それへ薄塩をあてて両側へメリケン粉を叩きつけます。それを玉子でくるんでパン粉をかけます。斯うしたのをラード油かバターで揚げます。 —村井多嘉子,弦斎夫人の料理談 とアジを食材とした調理方法が記されている。
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