明治後期の教育内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 01:46 UTC 版)
1905年(明治38年)5月制定された陸軍経理学校教育綱領の内容を明治期の陸軍経理学校教育における教育の一例(1905年5月時点)として以下に記す。 生徒教育 生徒教育の要旨は主計候補生に陸軍経理部初級士官に欠くべからざらる学術を修得させ、かつ将来高等な学術の研究に資する基礎をつくることにある。教育科目は次のとおり。主要科目 1.編制 2.経理 3.作戦給養(基本)4.簿記 5.会計学 6.外国語学(英語・独語・仏語・露語・清語より選択)7.訓育(服務・馬術・体操・剣術・操練)補助科目 (大意にとどめ、かつ実際の応用を主とする)1.地形学 2.建築学 3.衛生学 4.法律学 5.経済学 6.統計学 生徒の教育は簡易と実用を重視し、陸軍経理部初級士官の実地勤務に適合することを本領とする。なるべく深慮の理論および複雑な事項を避けることを要する。生徒の訓育は軍紀風紀に慣熟させ、徳性を涵養し忠君愛国の志操を発揮させ、また身体を鍛錬し技術を進め軍人精神を養成する。 学生教育 学生教育の要旨は生徒教育の教科を補充拡張し、さらに高等な勤務に須要な学術を修得させ、その活用の識力を発達させることにある。教育科目は次のとおり。主要科目 1.作戦給養(応用)2.給養史 3.兵要地理 4.編制(各国比較)5.経理(各国比較)6.外国語学(英語・独語・仏語・露語・清語より選択)7.馬術補助科目 (大意にとどめ、かつ実際の応用を主とする)1.応用理化学(糧食品・被服品)2.法律学 3.憲法 4.行政法 5.国際法 6.財政学 学生の教育は高等勤務に要する学術の原理を攻究させ、実例を引用し各種の応用問題を課すほか、実地見学、野外作業等により活用能力を発達させる。応用理化学は実物、実験等により理解を容易にし、かつ重要品の検査法は学生各自に直接練習させる。 優等の卒業者で員外学生となった者はさらに高等の学術を専攻する。
※この「明治後期の教育内容」の解説は、「陸軍経理学校」の解説の一部です。
「明治後期の教育内容」を含む「陸軍経理学校」の記事については、「陸軍経理学校」の概要を参照ください。
- 明治後期の教育内容のページへのリンク