旧日本軍化学兵器の存在状況とは? わかりやすく解説

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旧日本軍化学兵器の存在状況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:41 UTC 版)

遺棄化学兵器問題」の記事における「旧日本軍化学兵器の存在状況」の解説

中国には第二次世界大戦期日本軍保有していた化学兵器残存しており、これらが日本軍遺棄由来するものであるとされ問題となっている。第二次世界大戦期旧日本軍は、中国関東軍化学部通称号満州516部隊)や特種自動車第1連隊などの化学戦部隊駐留させており、各種化学兵器満州中心とした地域集積していた。終戦までに生産され化学兵器総量は、「きい剤」と呼ばれたマスタードガスルイサイトなどのびらん剤砲弾63発、「あか剤」と呼ばれたジフェニルシアノアルシンなどのくしゃみ剤砲弾125発、同発煙筒266個、そのほか「みどり剤」と呼ばれた催涙剤クロロアセトフェノンCNガス)などがある。一部訓練日中戦争実戦消費されたものの、大部分使用されないまま終戦迎えた終戦時点で中国を含む日本国外存在した化学兵器の量は、びらん剤砲弾2万-12発・くしゃみ剤砲弾72-88発・同発煙筒125個などと推定されている。 吉林省敦化市にあるハルバ嶺地区には、日本推定30-40発の日本軍化学砲弾などが埋設されている。ハルバ嶺地区には、各地遺棄されていたという化学兵器が、1950年代-1960年代中国軍によって集められ、2箇所埋設されて現在に至っている。当初674千発と推定されていたが、その後の調査推定量下方修正された。他方中国側200発が存在する主張しているが、日本研究者過大であると評価している。いずれにしてもハルバ嶺中国国内最大埋設量がある地点見られている。このほか、北は黒竜江省から南は広東省に至るまでの中国各地にも旧日本軍化学兵器残存しており、2012年9月までに約48千発が回収されている。中国側ハルバ嶺以外の大量存在地として、吉林省梅河口市にも黒竜江省尚志市から移送しびらん剤20発が存在する主張しているが、やはり日本側は過大な数字であると推測している。以上の砲弾などに含有される化学剤総量比較少量で、化学砲弾等の総数が約70発であると予想していた時点でも、500トン推定されていた。 現存する旧日本軍化学兵器には、既述のように「きい剤」(びらん剤)・「あか剤」(くしゃみ剤)・「みどり剤」(催涙剤)ほかが含まれている。ヒ素を含む化学剤があるため、処理に特別な配慮が必要とされる形態には化学砲弾のほか、発煙筒式のものや保管用のドラム缶入りのものなどがある。「きい剤」または「あか剤」の化学砲弾多く占めると推定されている。 残存する旧日本軍化学兵器による事故発生している。2003年8月4日にはチチハル工事現場において地中発見されドラム缶から旧日本軍化学剤流出して1人死亡43人が負傷した日中政府間協議結果、3億円の解決金遺棄化学兵器処理事業費一部として支払われた。 (参考旧日本軍保有していた化学兵器種類日本軍名称化学物質びらん剤 きい剤 マスタードガスルイサイト 窒息剤 あお剤 ホスゲン 血液剤 ちゃ剤 シアン化水素 くしゃみ剤嘔吐剤) あか剤 ジフェニルシアノアルシンジフェニルクロロアルシン 催涙剤 みどり剤 クロロアセトフェノン 発煙剤 しろ剤(あお剤と混合して使用トリクロロアルシン

※この「旧日本軍化学兵器の存在状況」の解説は、「遺棄化学兵器問題」の解説の一部です。
「旧日本軍化学兵器の存在状況」を含む「遺棄化学兵器問題」の記事については、「遺棄化学兵器問題」の概要を参照ください。

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