日東化学工業の創設とアルミナ製造の挫折とは? わかりやすく解説

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日東化学工業の創設とアルミナ製造の挫折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 08:53 UTC 版)

北大東島のリン鉱山」の記事における「日東化学工業の創設とアルミナ製造の挫折」の解説

国際情勢緊張が高まる中、日本では軍備増強盛んに唱えられるようになったそのような中で戦略物資として重要度が高いアルミニウム原料自給増産求められた。そのような中で改め北大東島リン酸礬土鉱が注目されるようになった1934年大日本製糖北大東島リン酸礬土鉱の処理方法についての研究を、東京工業大学教授加藤與五郎依頼した加藤研究成果に基づき、まずは東京工業大学内で工業試験行い良好な成績収めた。そこで1936年9月には大日本製糖東京工場内にパイロットプラント完成させ、北大東島リン酸礬土鉱の連続処理を行ったところ、当初予想上回る好成績挙げた大日本製糖加藤によるリン酸礬土処理法実用化目途立った判断し1937年8月23日日東化学工業創設し八戸工場新設することにした。1937年9月半ばには八戸工場建設始まった加藤によるリン酸礬土処理方法硫酸法呼ばれる方法であった硫酸法ではまず最初にリン酸礬土鉱を焙焼して細粒とした上で濃硫酸溶解し固相反応利用してケイ酸除去するケイ酸除去後にはアルミニウム硫酸塩リン酸が残ることになる。続いてアルミニウム硫酸塩アンモニア作用させて硫酸分からは硫安を、アルミニウム水酸化アルミニウム経てアルミナ精製し一方リン酸にもアンモニア作用させてリン酸アンモニウム精製する。つまり北大東島リン酸礬土鉱の処理によってアルミニウム原料となるアルミナ、そして肥料になる硫安リン酸アンモニウム精製されることになる。なお、硫酸接触法アンモニアハーバー・ボッシュ法により八戸工場にて自社製造することになった硫酸法用い硫酸の原料として岩手県にあった松尾鉱山硫黄使用する計画であった。またアンモニア原料となるコークスは、北海道産石炭コークス利用することになった硫黄コークス入手の便、さらにが豊富で労働力が得やすい良港であるという地の利考慮した結果八戸工場建設されることになった工場建設日中戦争の勃発によって機器資材供給が困難となり、ドイツ製のアンモニア製造機器の納入遅れたため、予定よりも遅れたものの1938年末には硫酸製造開始されアンモニア1939年には製造始められ1940年3月からは硫安製造開始された。 しかしアルミナ製造に関して東京工業大学での工業試験大日本製糖東京工場パイロットプラント段階では順調であったものの、八戸工場ではトラブル続き生産軌道に乗ることは無かった。その上戦況悪化していく中で、北大東島から遠い八戸までリン酸礬土鉱を輸送することが困難となった。そこでリン酸礬土鉱の処理を八戸ではなく台湾で行うようにしてはどうかとの意見出されるようになった。更に応召される工場技術者増加に伴う人材不足重なり結局北大東島リン酸礬土鉱処理を用いた日東化学工業八戸工場アルミナ製造本格稼働されること無く中断された。1940年12月から1945年8月終戦時までの間の、日東化学工業八戸工場における北大東島リン酸礬土鉱を原料としたアルミナ生産量総計1130トンであった

※この「日東化学工業の創設とアルミナ製造の挫折」の解説は、「北大東島のリン鉱山」の解説の一部です。
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