日本美術の位置付けと特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 06:21 UTC 版)
「日本美術史」の記事における「日本美術の位置付けと特色」の解説
日本の美術は、古代以来、中国・朝鮮半島からの影響が大きいが、平安時代の国風文化を初め、日本独自の展開も見られる。近世初期に宣教師らが日本を訪れ、一部に西洋美術が知られるようになったが、その影響は局所的であった。ただし、江戸時代の美術にオランダ絵画の影響を指摘する研究者もいる。明治時代になると、近代化=西洋化が国家目標になり、美術分野でもお雇い外国人による指導が行われ、芸術の本場と考えられたフランスへ留学する者もいた。洋画の技法が習得される一方、伝統への志向が生れ「日本画」が誕生した。一方、海外において日本美術の装飾性が注目され、ジャポニスムがブームとなり、印象派やアール・ヌーヴォーへの刺激を与えた。 日本美術は、広い視野で見れば、アジア美術の一環であり、インド、中国を含む仏教圏の美術と見なすこともできる。日本の美術は、縄文時代を例外として、常に外国(近世以前は主に中国、近代以降は主に西洋)の影響を強く受けつつ、独自の様式を発達させてきた。日本美術の流れを理解するには、常に中国や朝鮮半島の美術史と対比して考えねばならず、日本の美術が日本人のみの手によって自律的に発達したものと考えることは誤りだが、日本美術を中国美術の亜流と見なすことも同様に誤りといえよう。 欧米の大美術館の多くに日本美術ギャラリーがあり、「日本美術」は独自の様式をもった美術として認識されていることが分かる。ただし、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンの大英博物館の日本ギャラリーは、中国美術やエジプト美術のギャラリーに比べて規模も小さく、開設時期も比較的新しいということは事実である。 以下、主に絵画・彫刻・工芸・建築の各分野について記述する。
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