日本のテレビ放送での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:27 UTC 版)
「サブリミナル効果」の記事における「日本のテレビ放送での使用」の解説
オウム真理教事件が日本を震撼させていた1995年5月2日、読売テレビ制作・日本テレビ系列のテレビアニメ『シティーハンター3』第11話(1989年(平成元年)12月24日放送)の再放送で教団代表・麻原彰晃の顔が1フレームだけ挿入されていたことがTBS系のニュース番組で報道され、「サブリミナル効果」として問題視される。しかし、同年6月9日には逆に日本テレビ系列のニュース番組で、TBSのオウム真理教関連番組(1995年(平成7年)5月放送)に、麻原の顔などの画像が無関係な場面で何度も挿入されていたことが報道された。TBSは「サブリミナル手法を番組テーマを際立たせる1つの映像表現として用いた」と説明したが、非難が集中し、郵政省は同年7月21日、TBSに対し厳重注意した。これを受けて、TBSは「視聴者が感知できない映像使用はアンフェアであった」と謝罪した。 当初問題になった『シティーハンター3』も、同じく厳重注意を受け謝罪しているが、番組が放送された1989年時点ではオウムの犯罪性はまだ明らかになっておらず、「奇妙なパフォーマンスをする宗教団体」と思われていた時期だった。麻原の写真は同番組に挿入された複数のカットのうちのひとつであった(麻原のすぐ後には漫画『伝染るんです。』の登場人物「かわうそ君」が挿入されている)。 1980年代から1990年代前半に公開されたテレビアニメでは、ビデオデッキで録画した番組をコマ送りしないと確認できないカットやメッセージを1コマだけ挿入したり、群集シーンに別の漫画やアニメの登場人物を紛れ込ませるといった編集が「制作スタッフのお遊び」として当たり前のように用いられており、『シティーハンター3』だけが特殊なわけではなかった。しかし、ニュースでは麻原の写真が入っていたことのみがサブリミナル問題として取り上げられ、麻原以外のお遊びカットの存在や、TBS系も含む他のアニメ番組でも同様の無関係な映像が挿入がされていることについてはほとんど触れられることはなかった。 なお、オウム真理教は、マスメディアを初めとする商品に、サブリミナル効果を狙って「Sex」などの欲情を書き立てる文字や意匠が仕込まれていると主張していた。それによると、サブリミナルは雑誌やタバコ・菓子はもちろん、教科書や日本銀行券にまで使われたと主張した。 この事件以後、テレビ局の規制が厳しくなり、映像の変更が行われる番組もあったが、その後も何度か問題視されている。2004年(平成16年)2月、テレビ番組「マネーの虎」(日本テレビ)のオープニングに一万円札が、同時期の深夜アニメ『エリア88』(テレビ朝日)のオープニングに倒れている人や「WAR」「ATTACK」といった暴力を連想させる英単語が一瞬映っているとして相次いで報道された(どちらも報道後メッセージ性がないものに差し替えられた)。
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