日本における「マニア」と同様の表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/08 01:34 UTC 版)
「マニア」の記事における「日本における「マニア」と同様の表現」の解説
好事家 日本語では「風流を愛する人」「物好き」「変わった物事に興味を抱く人」として「好事家(こうずか)」という表現がある。 癖(へき) 「癖」は「偏りのある好みが習性となったもの」を意味する語。精神疾患としてのmaniaの訳語(クレプトマニア→「盗癖」など)にも用いられているが、漢語文脈で趣味嗜好についても用いた。蘭癖、書癖、考証癖など。 ~狂、~きちがい 「精神状態が尋常ではないこと」「程度が病的であること」を指す言葉が、趣味関心の対象の語尾に付されて用いられる例。上掲の通り、明治期にmaniaは「狂」と説明された。 「きちがい」やその省略形である「きち」(あるいはカタカナ表記の「キチ」)が使われることもある。「謡気狂(うたいきちがい)」、「人形気違い」、「カーきち」(=自動車マニア)、漫画『釣りキチ三平』のタイトルにある「釣りキチ」など。ただし今日では差別用語・放送禁止用語として認識される用法である。 英語にも銃器マニアに対する「Gun nut」(nut=気違い、すなわち「銃キチ」である)のように、同様の表現がある。 フリーク フリーク (freak) やフリークス (freaks) は、英語で「異形の者」を意味するが、ここから転じて熱狂的な人を指す語となった。日本語文脈でも「映画フリーク」などが用いられる。 ファン 芸能・スポーツなどの「熱心な愛好者」というのが語釈。「ファン」と「マニア」にはニュアンスの違いがあるともされる(「鉄道ファン」の項に「鉄道ファン」と「鉄道マニア」のニュアンスの違いについての記載がある)。 分野によってはファンダムという用語も用いられる。 なお、ファン (fan) という英語自体は「狂信者」(fanatic) から来ている。 おたく、~ヲタ 「おたく(オタク、ヲタク)」やその短縮形。「漫画オタク」、「アニメおたく」→「アニオタ」、「鉄道オタク」→「鉄ヲタ」など。 「おたく」と「マニア」にはニュアンスの違いがあるともされる(発祥・定義や展開についてはおたく参照)。 エンスージアスト 英語 enthusiast より。自動車趣味人は、1970年代まで「カーマニア」「カーキチ」と呼称されていたが、1980年代にはこれらの表現が衰退し、代わって「エンスージアスト」という呼称が台頭する。これは1984年に創刊された自動車雑誌『NAVI』の影響とされている。同誌に連載を持っていた渡辺和博によってさらに「エンスージアスト」を略した「エンスー」が広められ、「エンスーな車」といった形容詞的な用法もされる。「エンスー」という語は自動車やバイクの趣味の分野で使われており、分野を付した「カーエンスー」といった名称で趣味関心の志向を示すこともある。 愛好家 ギリシャ語に由来する英語の接尾辞 -フィリア -philia (-phil-参照)の訳語として選択されることが多い。 -philia は、日本語文脈の「マニア」とも重なる。上掲の「ビブリオマニア」と重なる「ビブリオフィリア」や、フランス語の「シネフィル」で知られる Cinephilia、「オーディオマニア」 (Audiophilia) 、などの例がある。
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