クレプトマニア
英語:kleptomania
窃盗行為への衝動に駆られ、常習的に窃盗を行ってしまう精神的症状。依存症と同じ精神的病理の一種として扱われる。
クレプトマニアは「ものを盗む」行為そのものが目的となっている点を特徴とする。「買う金がない」というような経済的事情も、「どうしても手に入れたい」というような物欲も、動機には含まれない。むしろ、盗み行為に伴うスリルや、盗みが成功した際の達成感などを得ることが主な動機であることが多い。
窃盗行為を繰り返し行うという点もクレプトマニアの特徴である。たとえ現行犯で厳重注意を受けたり逮捕されたりしても再犯に及んでしまう場合が多い。
いわゆる万引きの常習犯などの中にはクレプトマニアがいる。
クレプトマニアは一種の精神障害の病状であり、当事者も自律できない状況にある。クレプトマニアと疑われる場合は専門医の診療・治療を受ける等の対処が必要となってくる。
窃盗症
![]() | この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2024年6月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
窃盗症 | |
---|---|
概要 | |
診療科 | 精神医学, 心理学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | F63.2 |
ICD-9-CM | 312.32 |
MeSH | D007174 |
窃盗症(せっとうしょう、英: kleptomania、クレプトマニア)は、経済的利得目的以外で、窃盗行為という衝動を反復的に実行する症状・行動嗜癖で、精神障害の一種である[1]。
概要
これは、「利益のための窃盗」という金銭目的よりも、窃盗行為実行時の緊張感と成功時の満足感が目的であり「窃盗のための窃盗」といわれている。衝動制御障害に含まれる「放火のための放火」を繰り返す放火症と同様に、自身の行動する地域で窃盗や放火などの「衝動」を繰り返す。
彼らが「衝動」を起こす地域では、彼らが逮捕されない限り被害を受け続けるため、被害店舗の破綻などに繋がることもある。他者に被害をもたらす病であり、被害を受ける側に多くの者が共感を寄せるため、周囲から理解が得られにくい病である。
その常習性から、誰かが衝動を監視し続けるのも不可能であり、心を寄せてきた親族も諦めて縁を切るケースが少なくない[2]。
衝動が性的なものに起因する場合、窃盗愛好者・窃盗性愛(クレプトフィリア[3])といわれることもある。このクレプトマニアの語源はギリシャ語の語根「κλέπτειν(盗むこと)」である。
クレプトマニアに陥る人の背景には、機能不全の家庭、トラウマ体験といった共通点がある。摂食障害との関連性が指摘されており、1996年の研究では摂食障害の患者の12~24%が万引きを繰り返すとされる[4]。
脚注
参考文献
- 福島章編 編『犯罪ハンドブック』新書館〈ハンドブック・シリーズ〉、1995年2月1日。ISBN 978-4403250057。
関連項目
- クレプトマニアのページへのリンク