日本における「人民」概念の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:35 UTC 版)
「人民」の記事における「日本における「人民」概念の歴史」の解説
「人民」の語は中国から入ってきたが、中国で「人民」の概念が出現するのはかなり古く、文献上は戦国時代の『周礼』や『孟子』に既にみられる。『周礼』には、君主や群臣などの支配者と相対する被支配民としての「人民」の概念が述べられている。『孟子』の「盡心下」篇によると、孟子曰く、「諸侯の宝は3つある。土地・人民・政事である。珠玉(真珠や宝石)を宝とする者は、殃(わざわ)い必ず身に及ぶ。」(孟子曰、「諸侯之宝三。土地・人民・政事。宝珠玉者、殃必及身。」) この古来からある「人民」の語に、ジャン=ジャック・ルソーが「人民主権論」において確立した近代西洋の「people」の概念、すなわち被支配民であると同時に政治的主体にもなりうる存在を指し示す政治的用語としての「people」の概念が付与されるのは、日本の近代以後のことになる。リンカーン大統領の『ゲティスバーグ演説』には、政治の権力は人民に由来し、人民自身によってこれが行使されるという、近代的な意味での「人民」の概念が述べられている。『リンカーン演説集』(高木八尺・斎藤光の共訳)の「ゲティスバーグ演説」によると、リンカーン曰く、「人民の、人民による、人民のための、政治」(「government of the people, by the people, for the people」)
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