日本における「反知性主義」とは? わかりやすく解説

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日本における「反知性主義」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 06:36 UTC 版)

反知性主義」の記事における「日本における「反知性主義」」の解説

1961年9月来日したデイヴィッド・リースマンは「アメリカで悪夢のように横溢している『反』知性主義日本にはみられないことに驚く」と論評した全共闘世代について、小池真理子は「はじめは教養主義的だったのに、大学教師敵視するという姿勢もどんどんエスカレートしました。最後に反知性主義、反教養主義にまで発展してしまいました。」と述べた竹内洋は「それまでなら両親大学出ていなくて、田舎から都会大学出てきたりすれば、一応、アッパー・ミドル的なカルチャー学ぼうとして教養主義になっていったんですが、全共闘世代は、そうした教養主義的なものに対す対抗意識もあって、反知識人反知性主義みたいに居直った。」と述べた1969年5月13日東京大学で約千人聴衆相手行われた討論で、三島由紀夫は「全学連諸君がやったことも、全部肯定しないけれども、ある日本の大正教養主義からきた知識人自惚れをいうものの鼻を叩き割ったという功績絶対に認めます。私はそういう反知性主義というものが実際知性極致からくるのであるか、あるいは一番低い知性からくるのであるか、この辺がまだよくわからない。もし丸山真男先生がみずから肌ぬきになって反知性主義唱えれば、これは世間納得させるでしょうけれども、丸山先生いつまでたっても知性主義立場立っていらっしゃるので、なぐられちゃった。」と述べた森本あんりによると、日本では知性対す尊重があまりなく、イデオロギー結びつく知性よりも実用的な知識実学重視されてきたので、そもそも知性主義確立せず、それに対す反発もはっきりと出てこなかったのではないか指摘している。 竹内洋は「明治以来、いや江戸時代遡っても、日本にはあからさまな反知性主義噴出はみられなかったといえる反知性主義はあったにしても知性主義反知性主義それぞれタテマエホンネとして処理し二つ文化衝突避けてきた。」「強力な反知性主義がないことで、知性主義錬磨されることがなかった」ため、「日本における知性主義は「反」ならぬ「半」知性主義といったものではなかったのか。その意味では、橋下氏の反知性主義発言奇貨とすべきところはある。」「あからさまな反知性主義というよりは疑似知性主義ポピュリズム手を携えあっているのだ。」「われわれは、ゆるい知性もどきのなかで、知性の意味考えことなく『半』知性主義から『脱』知性主義へと緩慢な知性死に向かっていないだろうか。」「橋下徹大阪市長の『学者世間知らず』『本を読んだって何もにも進みません』という臆面なき反知性主義発言新鮮な反面教師のようにおもえてさえくる。知性とはなにか、その意味考え砥石になるからである。」と述べた島田雅彦は「日本においても、反知性主義インテリ毛嫌いし、『文句はかりいって、自分では何もしない奴ら』と蔑む風潮として現れる反知性主義背景には、歪んだエリート意識見え隠れする政治経済科学技術ごく一部選ばれ人材能力発揮していれば、それで支えられるのだから、その他大勢凡庸な人間は彼らが作った制度システムに従っていればいいという考え方だ。」と述べた

※この「日本における「反知性主義」」の解説は、「反知性主義」の解説の一部です。
「日本における「反知性主義」」を含む「反知性主義」の記事については、「反知性主義」の概要を参照ください。

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