日本における「夜の街」のスティグマ化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 18:56 UTC 版)
「社会的スティグマ」の記事における「日本における「夜の街」のスティグマ化」の解説
日本で市中感染が広まると、多くの感染経路は不明確であったが、特定された感染源に対しての非難が集中した。東京都は2020年3月30日の記者会見で、夜間から早朝にかけて営業する接客業をまとめて「夜の街」と呼び、小池百合子東京都知事は都民にそういったところへの外出自粛を要請した。以降、小池都知事は「“夜の街”要注意」と書かれたボードを使うなど、たびたび「夜の街」が感染源であると強調し、それは広く報道された。また6月に入り、東京都に東京アラートが発動すると、都は歌舞伎町や六本木の繁華街に対して見回り隊を結成すると発表した。 このような夜の街を「仮想敵」とした印象付け は、「スティグマを助長する」と指摘された。早稲田大学政治経済学術院の田中幹人准教授は、夜の街での感染拡大が強調される事で、病気のまん延がそこで働く人たちの責任だという論理を創り出す危険性があると指摘した。小池都知事は7月3日の記者会見では「全てのお店で夜の街危ないと言っているわけではございません」と発言し、感染症対策ガイドラインを遵守している店舗についての注意喚起ではないとした。 また、3月に厚生労働省が発表した休校児童の保護者に対する休業支援金においては、風俗関係者が「 公金を投じるのにふさわしくない業種」として暴力団員と並んで不支給対象としてあげられた。これに対し、合法的に営業する事業や労働者の職業差別にあたるのでは無いかという批判が集まった。セックスワーカー当事者団体「SWASH」は厚生労働省に見直しを求める要望書を提出。厚生労働省は4月7日のプレスリリースで補償対象に風俗関係者が含まれるよう支給要領を見直したと発表した。
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