断食・絶食療法とは? わかりやすく解説

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断食・絶食療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 10:11 UTC 版)

ケトジェニック・ダイエット」の記事における「断食・絶食療法」の解説

古代ギリシア時代医師たちが実践していた病気の治療法は、「食事変えること」であった。『ヒポクラーテス全集』( 『The Hippocratic Corpus』 )に収録されている学術論文On the Sacred Disease』(『神聖不可侵な病』)では、紀元前5世紀における癲癇治療取り上げている。ヒポクラーテスは癲癇に対して食事療法こそが、治療の確たる基礎となる」という姿勢取っており、「癲癇発症するのは人知及ばぬものであり、手に負えない病気である」とする当時一般的な見解に異を唱えていた。同書収録されている『Epidemics』(『伝染病』) では、飲食を断つことにより、癲癇発作発症したときと同じぐらいの早さ治った男性事例紹介している。王室専属医師解剖学者のエラシストラートゥス( Ἐρασίστρατος )は、「癲癇症状現れ場合何があろうと断食行い食事制限をしなさい」と明言した臨床医ガレノス( Γαληνός )は、「絶食は、軽度癲癇患者治癒しそれ以外病気に対して有益であるかもしれない」と考えた癲癇治療手段としての絶食断食についての研究は、1911年フランスで行われている。あらゆる年齢層癲癇患者20人に対し摂取エネルギー低くした菜食断食、そして、(下剤による)腸内異物除去組み合わせることで、「解毒」できたという。被験者のうちの2人には有益な効果見られたが、課され制限順守できた者はほとんどいなかった。臭化カリウム被験者悄然とさせたのに対し食事療法被験者意思能力改善させた。 このころアメリカ合衆国における身体鍛錬象徴的存在であったベルナール・マクファデンBernarr Macfadden )は、身体の健康のために断食普及させた。マクファデン教え子で、ミシガン州バトルクリーク在住のヒュー・ウィリアム・コンクリン( Hugh William Conklin )は、癲癇患者の治療断食取り入れ始めた腸内パイエル板( Peyer's Patches )から毒素分泌され、それが血中放出されたときに癲癇発作が起こるのではないか、とコンクリン推測した。この毒素消滅させる目的で、コンクリン患者1825日間の断食継続奨めた。コンクリンかなりの数の癲癇患者を『断食』( Water Diet )で治療した子供癲癇患者90%はこれで治癒できたが、成人患者では50%下がったその後コンクリンによる患者症例記録分析では、患者20%発作から解放され50%いくらか改善見られた。コンクリンが行っていた絶食療法は、開業した神経内科医採用された。 1916年T・E・マクマリー( T. E. McMurray )は、『ニューヨーク・メディカル・ジャーナル』( The New York Medical Journal )に、「1912年以降断食療法癲癇治療成功しその後デンプン砂糖加えない食事処方している」と記述している。1921年内分泌学者のヘンリー・ロウル・ガイエレン( Henry Rawle Geyelin,1883~1942 )は、アメリカ医師会American Medical Association )が開催した定期学術集会出席し自身経験報告した。ガイエレンは、コンクリンによる癲癇治療成功目の当たりにしたことで、自身患者36人で試した短期間ではあったが、同様の結果になったという。1920年代行われた更なる研究では、癲癇発作断食後に再発することがあるという。 コンクリンによる絶食療法癲癇治療成功した患者1人で、ニューヨーク顧問弁護士、チャールズ・プレンティス・ハウランド( Charles Prentice Howland, 1869~1932 )は、自身の弟、ジョン・エライアス・ハウランド( John Elias Howland. 1873~1926 )に、『The Ketosis of Starvation』(『絶食状態におけるケトーシス』)を研究する資金として5000ドル贈ったジョンズ・ホプキンス病院Johns Hopkins Hospital )の小児科の教授でもあったジョンは、兄から贈られ資金を、神経内科医のスタンリー・カブ( en:Stanley Cobb, 1887~1968 )とその助手、ウィリアム・ゴードン・レノックス( en:William Gordon Lennox, 1884~1960が行っていた研究のために提供した

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断食・絶食療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 15:34 UTC 版)

てんかん」の記事における「断食・絶食療法」の解説

古代ギリシア時代医師たちが実践していた病気の治療法は、「食事変えること」であった。『ヒポクラーテス全集』( 『The Hippocratic Corpus』 )に収録されている学術論文On the Sacred Disease』(『神聖不可侵な病』)では、紀元前5世紀における癲癇治療取り上げている。ヒポクラーテスはてんかんに対して食事療法こそが、治療の確たる基礎となる」という姿勢をとっており、「てんかん発症するのは人知及ばぬものであり、手に負えない病気である」とする当時一般的な見解に異を唱えていた。同書収録されている『Epidemics』(『伝染病』) では、飲食を断つことにより、てんかん発作発症したときと同じぐらいの早さ治った男性事例紹介している。王室専属医師解剖学者のエラシストラートゥス( Ἐρασίστρατος )は、「てんかん症状現れ場合何があろうと断食行い食事制限をしなさい」と明言した臨床医ガレノス( Γαληνός )は、「絶食は、軽度てんかん患者治癒しそれ以外病気に対して有益であるかもしれない」と考えたてんかん治療手段としての絶食断食についての研究は、1911年フランスで行われている。あらゆる年齢層てんかん患者20人に対し摂取エネルギー低くした菜食断食、そして、(下剤による)腸内異物除去組み合わせることで「解毒」できたという。被験者のうちの2人には有益な効果がみられたが、課され制限順守できた者はほとんどいなかった。臭化カリウム被験者悄然とさせたのに対し食事療法被験者意思能力改善させた。 このころアメリカ合衆国における身体鍛錬象徴的存在であったベルナール・マクファデンBernarr Macfadden)は、身体の健康のために断食普及させた。マクファデン教え子で、ミシガン州バトルクリーク在住のヒュー・ウィリアム・コンクリン(Hugh William Conklin)は、てんかん患者の治療断食取り入れ始めた腸内パイエル板(Peyer's Patches)から毒素分泌され、それが血中放出されたときにてんかん発作が起こるのではないかコンクリン推測した。この毒素消滅させる目的で、コンクリン患者1825日間の断食継続奨めた。コンクリンかなりの数のてんかん患者を『断食』(Water Diet)で治療した子供てんかん患者90%はこれで治癒できたが、成人患者では50%下がったその後コンクリンによる患者症例記録分析では、患者20%発作から解放され50%いくらか改善がみられた。コンクリンが行っていた絶食療法は、開業した神経内科医採用された。 1916年T・E・マクマリー(T. E. McMurray)は、『ニューヨーク・メディカル・ジャーナル』(The New York Medical Journal)に、「1912年以降断食療法てんかん治療成功しその後デンプン砂糖加えない食事処方している」と記述している。1921年内分泌学者のヘンリー・ロウル・ガイエレン(Henry Rawle Geyelin、1883~1942)は、アメリカ医師会American Medical Association)が開催した定期学術集会出席し自身経験報告した。ガイエレンは、コンクリンによるてんかん治療の成功目の当たりにしたことで、自身患者36人で試した短期間ではあったが、同様の結果になったという。1920年代行われたさらなる研究では、てんかん発作断食後に再発することがあるという。 コンクリンによる絶食療法癲癇治療成功した患者1人で、ニューヨーク顧問弁護士、チャールズ・プレンティス・ハウランド(Charles Prentice Howland、1869~1932)は、自身の弟、ジョン・エライアス・ハウランド(John Elias Howland、1873~1926)に、『The Ketosis of Starvation』(『絶食状態におけるケトーシス』)を研究する資金として5,000ドル贈ったジョンズ・ホプキンス病院Johns Hopkins Hospital)の小児科の教授でもあったジョンは、兄から贈られ資金を、神経内科医のスタンリー・カブ(en:Stanley Cobb、1887~1968)とその助手、ウィリアム・ゴードン・レノックス(en:William Gordon Lennox、1884~1960が行っていた研究のために提供した

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