断食・脱水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 21:40 UTC 版)
飲食拒否 (英: Voluntary Stopping Eating and Drinking: VSED)は終末期患者の間でしばしば採用されている。飲食拒否は安楽自殺として言及されることがある。 断食による自殺はヒンドゥー教や仏教、ジャイナ教の行者や在家信者が儀式的な手法として実施してきた。ヒンドゥー教ではprayopavesa(英語版)、仏教では即身仏、ジャイナ教ではサンターラーとして知られている。カタリ派の間でもconsolamentum(英語版)の秘跡を受けた後に断食を行っていた。この断食は道徳的に完全な状態で死亡することを目的としている。 脱水によって死亡するには数日から数週間かかる可能性がある。脱水による自殺は他の多くの自殺の方法とは異なり、衝動的に達成することはできない。終末期患者で脱水による自殺を試みて死亡した人は、普通は死亡する前に意識を失っており、せん妄や血清ナトリウムの異常も起きている可能性がある。 終末期患者による脱水での自殺は医師が介助する自殺と比較して、自己決定性、利用しやすさ、職業上のインテグリティ、社会的意味の観点で大きな優位性を有すると評する見解がある。患者は治療を拒否する権利を有し、患者に水を飲むことを強制する行為は暴行と見なされうるが、医師が単に致死性薬物の提供を拒否するだけではそのようには見なされない。しかし、人道的な自死の方法という点で固有の欠点もある。ホスピスの看護師に対するある調査によると、看護師がケアした患者の中で、断食や脱水による自殺を選んだ人数は、医師が介助する自殺を選んだ人数の約2倍だった。また、断食や脱水は医師が介助する自殺よりも苦痛が少なく、より平穏であると評価しているという。しかし、別の文献では脱水には大きな苦痛をもたらす副作用があると言及しており、副作用には発作、肌のひび割れや出血、盲目、吐き気などが挙げられている。
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