救急診療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:21 UTC 版)
まず、救急患者の前に来たとき、痙攣が持続しているか否かを確認する。痙攣発作はたいていは数分で消失するが、なかには数十分続く「痙攣重積」もある。痙攣中は呼吸が満足にできず、持続すると低酸素脳症を起こす恐れがあるため、痙攣を止める必要がある。痙攣発作中の患者には、まずBLS、ACLSのアルゴリズムに従い、救命を行う。このとき、低血糖、心室細動の診断も同時に行う。低血糖であれば、50%ブドウ糖20mlを2A(40ml)静注し、心室細動であれば電気的除細動を行う。次に考えるのはヒステリーによるもの(偽痙攣という)であるかどうかであるが、これは経験的に診断することが多く、疑わしければアームドロップテストを行う場合もある。偽痙攣が否定されれば、真性痙攣の治療となる。患者の意識がすでに回復している場合や、身元やかかりつけの病院や健康管理が明確になっている場合、体温、血圧、心拍数の検査を行ったのち、隊員の判断により、患者に署名してもらい、自宅への帰宅を優先することもある。 酸素投与、あるいはバックバルブ換気を行う ジアゼパム(10mg/2ml/A)を1A筋注あるいは0.5A静注する。止まらない場合、3~5分ごとに5mgずつ、最大20mg(2A)まで投与する 痙攣が止まったら痙攣再発予防のためアレビアチン(250mg)(抗痙攣薬フェニトイン)を2A(500mg)、生理食塩水100mlに溶解して点滴する ごくまれに、ホリゾンを20mg投与しても痙攣が治まらない場合がある。この場合はアレビアチンの点滴を開始する。これでも止まらなければ、テグレトールを50~100mg(1Aに500mg含まれているので注意)静注したり、フェノバール(100mg/A)を1A筋注することもある。それでも治らなければ、気管挿管を行って低酸素を防ぎ、専門医に相談する。アレビアチン(フェニトイン)は2A以上でなければ効果はないと言われる。これはナトリウムチャネルが不活化状態から回復する頻度を減らす作用がある。しばしば用いられる抗てんかん薬であるデパケン(バルプロ酸)もこの作用を有しているが、こちらはカルシウムチャネルにも作用する。 発作が止まったら、原因検索と外傷検索を行う。採血を行い血算(血球算定)、生化学検査を行い、アルコール濃度や抗てんかん薬血中濃度を測定する。動脈血液ガスにて代謝性アシドーシス(筋肉の収縮で嫌気性呼吸が起こるため)の有無も確認する。頭部CTや尿中薬物検査も行う。これらの検査で異常があれば「症候性てんかん」と診断され、異常がなければ真性のてんかんである。 診断ができれば、それに基づいて治療を行う。原則として、初発の痙攣では入院による精査が望ましい。てんかんでもっとも怖いのは痙攣後外傷である。危険だと判断したら、ためらわず入院させるが、患者の希望によっては後日に脳波検査となる。てんかんは発作型によって治療薬が異なるが、この場合は抗てんかん薬の予防投与となる。それ以外の真性てんかんで受診となる事例としては、癲癇発作が制御不能になること。これは非常に危険であり、入院精査が必要になる。怠薬の場合はアレビアチン投与後、服薬を再開する。今までコントロール良好であったのに痙攣した場合は、抗てんかん薬を増量し、かかりつけ医に受診させるという方法もある。症候性てんかんの場合は原因疾患を治療すれば完治できる可能性がある。可能ならば原疾患を治療し、抗てんかん薬を投与し、診断に合わせて専門医を受診させる。
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救急診療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:44 UTC 版)
救急医療においては、北九州市の計画により、西部ブロックに於ける「第3次救急指定病院」として位置づけられており、産業医科大学病院、JCHO九州病院など「2次指定」されたエリア内のその他の病院と連携を密にしている。東部地区は、医療法人北九州病院が運営する北九州総合病院(小倉南区)が指定されている。 救命救急センター(1978年(昭和53年)10月設置) 第二夜間休日急患センター(1995年(平成7年)7月設置) 小児救急センター(2003年(平成15年)10月設置)
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