救急室における神経診断学とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 救急室における神経診断学の意味・解説 

救急室における神経診断学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:10 UTC 版)

「麻痺」記事における「救急室における神経診断学」の解説

神経診断神経診断学に基づき病因診断解剖学的診断臨床診断と3stepで行うのが通常である。解剖学的診断を行うための診察項目は非常に多い救急室ではこのような対応は不可能なことが多く頻度としても救急室来院する神経病疑われる患者多く脳血管障害であるため、より簡便なスクリーニング法が発達してきた。スクリーニング診察あくまでも神経病存在診断のために行うものであり、体系だった神経診断学に基づく診断比べ局所診断病因診断情報少ないものの、短時間行えることから救急室では好まれるスクリーニング診察の項目としては、意識脳神経運動神経感覚神経歩行姿勢髄膜刺激症状自律神経協調運動深部腱反射(特に病的反射)などを一通り行う場合が多い。 スクリーニング項目だけでも脳血管障害かなりの情報を得ることができる。ほとんどの脳血管障害片麻痺主訴とするため、これを想定する。まず顔面麻痺存在しない頸部以下の片麻痺であれば脊髄レベル血管障害考えることができる[要出典医学]。片麻痺と対側に顔面麻痺がある場合、すなわち交代性片麻痺であれば脳幹障害である。脳幹障害気管内挿管の必要が高くなる咽頭反射消失など球麻痺症状交代性片麻痺はいずれ気管内挿管積極的に考える状態である。頭部CTを緊急で行う必要がある救急室マネジメントとしては脳出血診断がついた時点局在診断行って治療方針としては影響出ない。)。あいまに行う神経診断としては脳神経検査である。脳神経I〜IV麻痺ならば中脳脳神経V〜VIII麻痺ならば脳神経IXXII麻痺ならば延髄責任病巣である可能性が高い。片麻痺と同側に顔面麻痺認められる場合皮質レベル[要出典]か皮質レベル障害である。この場合テント病変であるので瞳孔偏位が存在すればそれだけで偏位方向皮質レベル障害である(瞳孔偏位はテント病変では病側を向きテント病変では健側を向く)。瞳孔偏位が認められなければ皮質症状認められるか、認められないかで鑑別する皮質症状存在すれば皮質レベル障害であり、皮質症状存在しない、あるいは感覚障害存在しなければ皮質レベル、すなわちラクナ梗塞である。皮質症状優位半球皮質症状としては失語が有名であり、劣位半球皮質症状としてはそれ以外高次機能障害失認失行半側空間無視あげられる。また両側大脳皮質機能として、複合感覚もあるため、これも皮質症状とする。広範な皮質症状としては意識障害あげられる障害血管に関して皮質レベル障害場合前部大脳循環系障害疑わしい下肢障害強ければ前大脳動脈領域顔面上肢障害強ければ中大脳動脈領域同名半盲幻視認められれば後大脳動脈領域疑わしい皮質下、特に内包視床大脳基底核穿通によって主に灌流されているため、皮質症状存在しなかったり、感覚麻痺伴わない運動麻痺運動麻痺伴わない感覚麻痺ラクナ梗塞を疑う。

※この「救急室における神経診断学」の解説は、「麻痺」の解説の一部です。
「救急室における神経診断学」を含む「麻痺」の記事については、「麻痺」の概要を参照ください。


救急室における神経診断学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:52 UTC 版)

脳血管障害」の記事における「救急室における神経診断学」の解説

神経診断神経診断学に基づき病因診断解剖学的診断臨床診断と3stepで行うのが通常である。解剖学的診断を行うための診察項目は非常に多い救急室ではこのような対応は不可能なことが多く頻度としても救急室来院する神経病疑われる患者多く脳血管障害であるため、より簡便なスクリーニング法が発達してきた。スクリーニング診察あくまでも神経病存在診断のために行うものであり、体系だった神経診断学に基づく診断比べ局所診断病因診断情報少ないものの、短時間行えることから救急室では好まれるスクリーニング診察の項目としては、意識脳神経運動神経感覚神経歩行姿勢髄膜刺激症状自律神経協調運動深部腱反射(特に病的反射)などを一通り行う場合が多い。 スクリーニング項目だけでも脳血管障害かなりの情報を得ることができる。殆どの脳血管障害片麻痺主訴とするため、これを想定する。まず顔面麻痺存在しない頸部以下の片麻痺であれば脊髄レベル血管障害考えることができる。片麻痺と対側に顔面麻痺がある場合、すなわち交代性麻痺であれば脳幹障害である。脳幹障害気管内挿管の必要が高くなる咽頭反射消失など球麻痺症状交代性麻痺はいずれ気管内挿管積極的に考える状態である。頭部CTを緊急で行う必要がある救急室マネジメントとしては脳出血診断がついた時点局在診断行って治療方針としては影響出ない。)。あいまに行う神経診断としては脳神経検査である。脳神経 I - IV 麻痺ならば中脳脳神経 V - VIII 麻痺ならば脳神経 IX - XII 麻痺ならば延髄責任病巣である可能性が高い。片麻痺と同側に顔面麻痺認められる場合皮質レベル皮質レベル障害である。この場合テント病変であるので瞳孔偏位が存在すればそれだけで偏位方向皮質レベル障害である(瞳孔偏位はテント病変では病側を向きテント病変では健側を向く)。瞳孔偏位が認められなければ皮質症状認められるか、認められないかで鑑別する皮質症状存在すれば皮質レベル障害であり、皮質症状存在しない、あるいは感覚障害存在しなければ皮質レベル、即ちラクナ梗塞である。皮質症状優位半球皮質症状としては失語が有名であり、劣位半球皮質症状としては障害血管目安としてはそれ以外高次機能障害失認失行半側空間無視あげられる。また両側大脳皮質機能として、複合感覚もあるため、これも皮質症状とする。広範な皮質症状としては意識障害あげられる障害血管に関して皮質レベル障害場合前部大脳循環系障害疑わしい下肢障害強ければ前大脳動脈領域顔面上肢障害強ければ中大脳動脈領域同名半盲幻視認められれば後大脳動脈領域疑わしい皮質下、特に内包視床大脳基底核穿通によって主に灌流されているため、皮質症状存在しなかったり、感覚麻痺伴わない運動麻痺運動麻痺伴わない感覚麻痺ラクナ梗塞を疑う。 脳血管障害局在診断で非常に便利な所見纏める交代性片麻痺 交代性片麻痺とは脳幹徴候としては極めて重要な所見である。脳幹障害では同側の脳神経障害反対の上下肢麻痺をおこす。大脳障害では反対側の顔面をむくむ片麻痺起こすので容易に区別できる要するに、脳神経症状上下肢の片麻痺サイドが逆ということ脳幹病変予測できるこれが交代性片麻痺である。出現する脳神経症状神経核位置関係する。即ち左動眼神経麻痺がある交代性麻痺がみられれば左中脳の障害である。なお延髄の障害交代性片麻痺が起こるのは延髄内側病変である。延髄外側、即ちワレンベルグ症候群では錐体路障害起こらない解離性感覚障害 解離性感覚障害脊髄病変をしめす徴候である。前方障害型:障害レベル以下に温痛覚低下みられる 後方障害型:障害レベル以下に深部感覚触覚低下みられる中心部障害型:宙吊り方に痛覚低下ブラウンセカール症候群対側の痛覚低下同側のその他の感覚錐体路障害がおこる。

※この「救急室における神経診断学」の解説は、「脳血管障害」の解説の一部です。
「救急室における神経診断学」を含む「脳血管障害」の記事については、「脳血管障害」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「救急室における神経診断学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「救急室における神経診断学」の関連用語

救急室における神経診断学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



救急室における神経診断学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの麻痺 (改訂履歴)、脳血管障害 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS