政治的空白期と1996年上院議員選挙
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「スティーブ・ベッシャー」の記事における「政治的空白期と1996年上院議員選挙」の解説
1987年の選挙で落選した後、ベッシャーはクラーク郡にある広さ35エーカー (140,000 m2) の農園に移った。弁護士としての仕事を再開し、レキシントンの従業員125人の会社スタイツ・アンド・ハービソンに加わった。カルメットファームの破産や、ケンタッキー州中央保険会社の清算など、幾つか人目を引く事件を扱った。1994年には前立腺癌の手術を受け、成功した。 ベッシャーは1987年予備選挙での敗北後ほぼ10年間、政治の場にはほとんど関わらなかったが、1995年遅くに、元知事のネッド・ブレシット、元知事で当時上院議員のウェンデル・H・フォード、民主党上院選挙委員会議長のボブ・ケリーなど、民主党の指導層から共和党の現職アメリカ合衆国上院議員ミッチ・マコーネルへの挑戦を勧められた。ベッシャーは民主党予備選挙には有力候補として入った。他にはケンタッキー州第1選挙区選出のアメリカ合衆国下院議員を1期のみ務めたトム・バーロウ、引退したルイビルの警察官シェルビー・ラニアが出馬した。この予備選挙の間、ベッシャーは事実上バーロウとラニアを無視し、マコーネルに関する修辞に集中した。バーロウは州内全120郡を回ったが、ベッシャーが177,859票、バーロウが64,235票、ラニアが25,856票という結果となり、ベッシャーが指名を得た。 本選挙の期間中、世論調査ではベッシャーがかなりマコーネルに遅れをとっていた。マコーネルはこの期間中にベッシャーの2倍の選挙資金を集めた。ベッシャーはマコーネルの資金集めを選挙の問題にしようとした。その金の多くが政治行動委員会から来ており、それはマコーネルが務める上院委員会にロビー活動を行った利益集団を代表していた。マコーネルは、言論の自由は金を寄付する自由を含んでいると言って、献金者を弁護した。ベッシャーは、マコーネルを含む共和党員がメディケアを削減することに賛成票を投じたと告発し、マコーネルは共和党がメディケアを削減したのではなく、その成長を抑える計画を進めたのであり、その計画は民主党のビル・クリントンが提案したものと大きな違いはないと説明した。 選挙戦は2候補者の2回行われた討論の2回目から個人攻撃に変わった。マコーネルは、ベッシャーが属しているイロコイ狩猟クラブにはアフリカ系アメリカ人の会員がおらず、人種差別をしていると非難した。ベッシャーはそのクラブが人種差別をしていることを否定し、逆にルイビル出身の著名なマコーネル支持者は「敵意のある反女性」であると切り返した。次にはマコーネルが、ベッシャーは組織犯罪に関わりのあることで捜査を受けている労働団体から金を受け取ったと、反撃した。この討論の後、マコーネルが会員であるペンデニス・クラブが人種差別慣習で捜査を受けていることが暴露された。マコーネルはそのクラブが人種差別をしていると認識した後に脱会したが、その会員あるいは指導者を辞めた理由は明らかにしなかったと主張した。最終的にベッシャーの主張はどれも注目を引かず、投票結果はマコーネル724,794票に対して、ベッシャー560,012票と届かなかった。マコーネルの経歴では最大の票差だった。2009年に出されたマコーネルの伝記では著者ジョン・デイビッド・ダイチェが、ベッシャーが「(マコーネルに対する選挙戦で)成功する可能性について期待を抱かなかったが、その党のために、またビル・クリントン大統領再選の威光に乗れることを期待して、選挙戦に入った」と記していた。この本が出版された後、ベッシャーはスポークスマンを通じてダイチェの評価は「正確だと思われる」と言っていた。 ベッシャーはマコーネルに敗れた後、スタイツ・アンド・ハービソンで法律実務を続けた。2001年、1987年州知事予備選挙でベッシャーが敗れた相手だったウォレス・ウィルキンソンの破産事件で、この会社が債権者を代表するものとして雇われた。この会社は、ウィルキンソンがその財産を作ったウォレスの書店の債権者4者の代表でもあった。ウィルキンソンは以前にベッシャーと選挙戦を戦ったことから利害の対立の可能性があると言って、この法律会社を事件から外そうと試みたがうまく行かなかった。この事件は最終的に、ウィルキンソンが死んだ4か月後の2002年に決着した。
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