改良期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 17:01 UTC 版)
ダイオキシンが問題となり環境問題より塩化ビニルを使用しない目的でエコ電線(EM-EEF、EEF/F 【600Vポリエチレン絶縁耐熱性ポリエチレンシースケーブル平形】)が1998年から(社)日本電線工業会で規格化され、電線メーカより新発売され始め徐々に公共事業で指定される電線となる。この対象電線の材質変化に対応して、各社がVA線ストリッパーの改良と新規メーカ参入が始まる。 EMとはエコ マテリアル(Eco−Material)(Ecological Material 環境保護の材料)および耐燃性の意味である。このエコ(Ecology調和の取れた環境等の意味の頭文字「ECO」をとった)電線・ケーブルは、被覆材にハロゲン元素を含まないため有害なハロゲン系 ガスを発生しない、鉛などの重金属を含まず土壌汚染がない、燃焼時の発煙量が少ない腐食性ガスを発生しない、耐熱温度が高いため許容電流を大きく取れる、等の利点がある。 エコ電線は、VA線よりも被覆材の材質が硬く、切断において大きな力を必要とする。また、2心・3心と複数の線種(シースの横幅寸法が異なる)に対応しているストリッパーの特徴として、線種サイズ(2芯のシースは3芯幅に合わせた刃物の形状より、シースの側面片側が切り残る)によっては切断されない一部のシースが、引抜き操作が行われても伸びて完全にシースが抜き取れない場合が製造する電線メーカの違いによりある。 このエコ電線の使用拡大に伴って、安定していたVA線ストリッパー市場に工具メーカ各社が活発な開発・改良活動に入る事となる。 MCCも被覆の切断面が被覆中央部で一致する様に、カム機構により上刃の軌跡をコントロールする独自の方法(特許 第4169276号)により切断時の上下刃ズレの改良を行った。同時に3節リンク方式(特許 第4169280号)としてレバー比を向上させエコ電線の皮むきにおいても問題の無い操作力へと低減した。最大の改良点は、Φ1.6×2心・3心&Φ2.0×2心・Φ2.0×3心の4線種の皮むきを、刃物の改良を行い一丁のストリッパーで可能とし2005年2月に新型を発売する。 2005年12月にVICTORも同社以前の商品よりレバー比を改良し、一丁のストリッパーで4線種の皮むきが出来る新型を発売する。この機種は、ハンドルの取付け方向が横方向タイプである。 また、LOBTEXは、2007年にリンク方式に改良を加えハンドル操作力を低減している。(特許公開2008-005577、2009年時点では審査中)本体の取付けボルトにも刃の調節機能を付加して4線種対応で発売する。 メリーも4線種対応に改良実施する。 ワイヤストリッパーの老舗VESSELが2009年12月に市場に本格参入し、専用設計タイプのVA線ストリッパーを発売する。被覆の切断と引抜を別個の機能部品とし、2回ハンドルを握ることにより操作が完了となる。1回操作のストリッパーに比べてシースの切断が完全に行われ、シースの引きちぎり部分が無くなる。 2010年03月25日メリー 室本鉄工(株)もMCC型VA線ストリッパーを新発売する。特徴は、線材メーカにあわせて上手く皮むきが出来るように、調整ネジで刃部を微調節する機構が付加されている。
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