操作方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 06:00 UTC 版)
親指シフトキーボードの見た目における最大の特徴は、キーボード最下段中央に位置する親指左/親指右の、各々親指シフトキーである。 操作面の特徴には、次の点が挙げられる。 親指の活用 : 英文入力ではスペースの打鍵に多用するのに対し、和文入力では使用する機会が少ない親指を、シフト機能用として使う。無理なく積極的に活用するものと主張されている。 同時打鍵 : 親指シフトキーは、通常のシフトキーの働きと異なり、前後関係なく一定の時間内に打鍵されれば同時と扱われ、シフト入力となる。打鍵する順番を気にせずに規則的なテンポで打鍵できると主張されている。 ホームポジションに手を置くと、親指左/親指右キーは、左右の親指の真下に位置するため、これらのキーはホームポジションを崩さずに打鍵できる。英字モードでの配列と入力方式は、一般のQWERTY配列のキーボードと変わらず、親指左/親指右キーはスペースキーとして機能する。一方、かなモードでは、これらのキーを下表のように操作して、キートップに印刷してある複数の文字を打ち分けながら、漢字かな交じり文の文章を入力する。 文字キーのキートップ 文字入力とキー操作入力したい文字キー操作文字キーの下側に刻印されている読み (A) 文字キーを単独で打鍵 文字キーの上側に刻印されている読み (B) 文字キーと、文字キーを打つ手の親指シフトキーを同時に打鍵(同時打鍵) Aの文字の濁音 文字キーと、文字キーを打つ手とは反対側の親指シフトキーとを同時に打鍵(濁音がある文字のキーのみ有効)(クロスシフト+同時打鍵) Aの文字の半濁音 (親指シフト規格のみ)左右いずれかの小指シフトキー(半濁音キー)を押しながら、文字キーを打鍵(半濁音がある文字のキーのみ有効) 文字キーに刻印されている半濁音 (D) (NICOLA規格のみ)半濁音は濁音のない文字のキー(「ら」「,」「め」「ね」「い」)に刻印されており、クロスシフトで打鍵すると「ぱ」「ぴ」「ぷ」「ぺ」「ぽ」が入力される 英字 (C) 英字モードにて、文字キーを単独打鍵(一般のQWERTY配列キーボードと同じ) 一見すると複雑に見える入力方式であるが、「かな一文字を一回の操作で入力すること」という要求を満たそうとする場合、きわめてシンプルな解決方法であるといえる。 解剖学的な手の構造を見れば明らかな通り、親指は人差し指・中指・薬指・小指とは異なり中節骨がなく、他の指と比べて明らかに短い。また他の指との近づき具合を自由に変えることができる。親指シフト規格は手が持つこの特性を利用している。 片手による文字キーと親指シフトキーとの同時打鍵(濁音になり得ないかなの打鍵)については「文字キーと親指シフトキーを同時に押せるように指を構え、そのまま掌全体を軽く下ろして同時打鍵する」スタイルを取っている。 この操作は他の入力方法では用いないものであり、もちろん練習をすることによってしか習得できない。初期練習時には「2つのキーを同時に打鍵する」ことよりも、「2つのキーを同時に押せるように手を形作る」ことを意識して練習する方が、より実際の打鍵に近い打鍵感覚で練習できる可能性がある。 親指シフト規格では、一つのシフトキーに一つの機能を割り当てるのではなく、「手の形・文字キーと親指シフトキーとの位置関係」に応じてシフトの意味合いを変えることにより、「片手で打てば濁音になり得ない清音かな」「両手で打てば濁音かな」というルールを、ほぼ規則的に実現している。 他のシフト方式と比べての親指シフト方式の特徴については、シフトキーの項目を参照。
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