批判と疑問点とは? わかりやすく解説

批判と疑問点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 03:04 UTC 版)

認知行動療法」の記事における「批判と疑問点」の解説

うつ病対す抗うつ薬臨床試験場合偽薬有効成分入っていない)の投与群でも症状ある程度改善するため、薬剤服用しているという希望期待によって否定的な思考改善していることが示唆されていることから、認知行動療法効果プラセボ効果ではないかという批判がある[要出典]。プラセボ効果に詳しいアービング・カーシュによれば追跡調査効果違いがあり抗うつ薬では治療をやめると再発しやすいが、認知行動療法では長期的にみると再発率抗うつ薬よりも低い。しかし、認知行動療法長期的効果研究については、患者治療者治療内容認識している以上(これはどんな精神療法にも当てはまると言える)、治療急性期同様に二重盲検不可能であり認知行動療法長期的効果研究法大きな不備があると指摘されている。 2013年にダグ・ベルガーは、認知行動療法前提においては否定的な思考という症状うつ病原因であるとされているが、医学精神医学の中では症状病気の原因になっている唯一の例だと指摘し加えて認知行動療法研究方法として)治療法患者に対して二重盲検法によってランダムに割り振れないではないか疑問呈している。たとえ二重盲検法用いても、患者治療者否定的な思考修正することに積極的に取り組むことになり、希望による期待によってバイアス偏り)が生じる。また、研究の評価者は治療内容認識していないが患者治療者両者認識している単盲検(シングルブラインド)による効果の研究方法は、結果を歪ませてしまう。2010年メタアナリシスによると、二重盲検法による研究よりも単盲検のほうが効果大きく出ている。しかし、単盲検(シングルブラインド)の正式な定義は、患者のみが治療内容認識しているしくみである。 その上でベルガーは、うつ病における試験では50%改善にて反応したとして評価するので、心理的な苦痛和らげてはいるもののうつの根本的な部分実際に変わっていないと批判している。また「私はだめな人間のような否定的な思考抑うつ気分から生じているかもしれないが、治療者によって与えられる希望支援によって緩和されるそれでもなお苦痛残っている(この改善率などの評価方法は、抗うつ薬試験でも同様である)。心理療法臨床試験募集の際には既にバイアス偏り)が生じており、心理療法反応しないうな重症のうつ病の者は臨床試験採用されにくく、日常臨床適していないとも指摘している。 ゆえに、ベルガー二重盲検されているとはみなされないとし、根拠に基づく(EBMとは言えず、これまでのデータは「統制されていない研究結果にすぎない、としている。さらにEBMでは、ランダム化比較試験ランダムに割り付けられた二重盲検による試験)は、ランダム化比較試験結合されメタアナリシスについで証拠強さが強い。また、医薬品の単盲検試験では被験者割付群を知らせないが、心理療法ランダム化比較試験 (RCT) における単盲検では効果評価者割付群を知らせないという違いがある。心理療法RCT問題克服する手法開発されており、評価者ブラインド化され研究では効果量が50% - 100%高く出ることもない。なお、抗うつ薬二重盲検試験にも、副作用有無によって医師被験者抗うつ薬偽薬のどちらを投与した見破られるという問題がある。 しかしながら抗うつ薬では別の疑問存在し得られデータ解析し偽薬比べて臨床的に味のある差がないことが判明している。 重度症状有る場合は、苦痛を伴う事が少なからず有る事で苦痛に耐えきれず中途断念する人が少なからずいる[要出典](医薬品試験でも同様であり、例えば、抗精神病薬試験では「18カ月で」74%が、効果がないか副作用のため試験から脱落している)。抗精神病薬統合失調症用いられる認知行動療法主な対象であるうつ病において使われている抗うつ剤脱落率は、「6週間1か月半)で」、SNRI抗うつ薬で26.1%, SSRI系で28.4%であるある

※この「批判と疑問点」の解説は、「認知行動療法」の解説の一部です。
「批判と疑問点」を含む「認知行動療法」の記事については、「認知行動療法」の概要を参照ください。

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