批判と注記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 17:23 UTC 版)
後の精神分析家や、精神分析に対するフェミニストからの反論により、現代では男根期やエディプスコンプレックスにおけるペニス優位の考えは大きな批判対象となっている。 フロイトの研究は男児に偏っていたため、女児の性的発達に関しては研究が深まってはいない。ただしフロイト自身は女児の患者から得られたペニス羨望や空想研究によって、初めは女児もペニスを持っていると考えているが、自身にはペニスがない事を自覚するプロセスがあると主張している。これが女児の去勢コンプレックスであるが、女児においてペニスに当たるクリトリスに関心が集中している段階として彼は考えているようである。 またフロイトの考えるペニスという観念は、ラカンによって指摘されているが、正確にはファルスに近い。つまりそれはリビドーという人間の根本的な心的エネルギーの質を決めるものなのである。故にフロイトは立派な女性たちに対して「あなたたちは女性的ではなくて、むしろ男性的なのです」と言っている。彼の男根期に対する考え方には、そもそもペニスがリビドーの質を決め、またその質が「能動的・男性的」という特徴を備えていることに注目していたようである。
※この「批判と注記」の解説は、「男根期」の解説の一部です。
「批判と注記」を含む「男根期」の記事については、「男根期」の概要を参照ください。
- 批判と注記のページへのリンク