批判と課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 16:59 UTC 版)
研究対象としての島や島嶼性なる概念が有効たりうるのかは、島嶼研究者の間でもながらく議論を呼んでいる。第一に、島嶼にも地理的、社会的、文化的、政治的、経済的に多種多様な条件があり、そこに一貫した論理を求めることは困難である。さらに、グローバル化する社会のなかで島の固有性、アイデンティティが有効な概念たりうるかについても議論がある。これらについて地理学者ピート・ヘイは地理学における「場所」概念が、島嶼研究に対する一貫した理論的枠組みとして有効であろうと指摘している。 島嶼性が人間社会に対して影響を持つという言説は環境決定論的である、という指摘もある。こうした決定論に陥らない島嶼性の定義としては、フィリップ・ペルティエの「島嶼空間とそこに生きる社会との間に構築されるダイナミックな関係」という説明が妥当な落としどころと言える。いずれにしても、島の孤立性がもたらす影響を前もって一般化することは不可能である。
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