戦法の概要
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一般的には先手番が先攻し後手がカウンターを狙う。そのため先手が攻めるタイミングを外せば膠着状態に陥り千日手に至ることもあるが、厳密には先手であること自体が僅かながら有利であるとされるため、後手は千日手に持ち込めば成功とみなされる。したがって「カウンター狙いの後手に対して先手が攻め切れるのか」が長年研究され続けている角換わりのテーマである。先手の勝率が比較的高い戦法の一つであり、この戦法を得意とする代表的なプロ棋士として、谷川浩司や丸山忠久などが挙げられる。 角換わりにおいては5筋の歩を突くと△3九角(後手なら▲7一角)から馬を作られるなど、自陣に隙が生じやすい。そのため「角換わりには5筋を突くな」という格言がある。
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戦法の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 21:33 UTC 版)
ウィキブックスに将棋/▲2六歩関連の解説書・教科書があります。 出だしは▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩と飛車先の歩を伸ばし合い、▲7八金△3二金とお互いに角頭を守ってから(角頭を守らずに▲2四歩(△8六歩)と先攻すると不利を招く、5手爆弾を参照)、互いに陣形を整備しつつ機を見て▲2四歩△同歩▲同飛と飛車先の一歩を交換するのが一連の運びである。 従来は互いに金を上がった後即座に飛車先交換を行い、△2三歩に対し飛車の引き場所を2六か2八かのいずれかに選ぶ事が多かったが、交換はもう少し後回しにして様子をみるのが2020年代からの主流となる。ひとつには、2010年台後半の将棋ソフト技術の発展に伴い、後手の△2三歩に対して飛車の引き場所を早めに決めさせられるのは不満と見られるようになった。 相掛かり後手の指し方は、これまで九割が△6四歩-6三銀型を指向していた。残り一割が△7四歩などである。この7四歩は2010年代後半から多く指されるようになるが、これは先手が▲3六歩から3七桂や3七銀を指向するのに合わせ、同型にするねらいがあるのと同時に、先後が入れ代わるのを狙っている。例えば2018年7月の順位戦C級2組脇謙二vs遠山雄亮戦で、△3四歩に先手が▲2四歩としたので△同歩▲同飛に△7三桂▲3六歩となってから後手が△8六歩▲同歩△同飛とし、▲3七桂となってみると、先手が再度飛車先を2四歩としているので、見事に先後が逆に入れ代わっている。 △遠山 持ち駒 なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 香 桂 金 銀 桂 香 一 飛 銀 王 金 角 二 歩 歩 歩 歩 歩 三 歩 歩 歩 四 歩 五 歩 飛 歩 六 歩 歩 歩 歩 歩 歩 七 角 金 玉 銀 八 香 桂 銀 金 桂 香 九 ▲脇 持ち駒 なし 図は△3四歩まで脇vs遠山 戦 このように、飛車先交換三つの得と言われた「飛車先交換」について、先手は早くに飛車先交換しても、後に再度飛車先を2四歩とすることになると手損を招く。このため、▲3八銀や5八玉、6八玉を先にしてから様子をみる手が多くなっている。 2015(平成27年)度以前は、実に九割以上の対局で先手は7手目に▲2四歩以下の歩交換を選んでいる。それが2016年度は▲3八銀と▲2四歩がほぼ同数になり、2017年度には▲3八銀が七割以上に、2018年(平成30年)度に入ってからは実に八割以上となる。 また後手の5段目への駒の進出を妨げる意味合いで▲2五飛と引く形も見られるようになった。 初手▲2六歩に対し△3四歩と突いた場合は、横歩取りや振り飛車などの将棋を後手は指向しており、相掛かりにはならない可能性がある。ただし横歩取り模様から先手が横歩を取らずに飛車を引く変化はあるので、後手の狙いを避けることは可能である。先手が3手目で▲7六歩とした場合に、△4四歩であれば振り飛車や無理矢理矢倉、△3二金であれば角換わり他に、△8八角成ならば後手一手損角換わりや角交換振り飛車等に合流することも予想される。
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