慰安婦=性奴隷制度主張
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吉見は日本の慰安婦に関する論争において、日本軍が女性を「性奴隷」とする制度を運営していたと主張する人物である。 吉見は宋神道による在日韓国人元従軍慰安婦謝罪・補償請求事件で、東京地裁が行った認定事実「一九三二年から終戦時までいわゆる醜業を目的として各地に従軍慰安所が設置され、従軍慰安婦が配置されたが、原告も、一九三八年頃から終戦時まで、各地の慰安所で意に沿わないまま否応なく従軍慰安婦として軍人の相手をさせられた。」 に、「原告がいやになって逃げようとすると、そのたびに慰安所の帳場担当者らに捕まえられて連れ戻され、殴る蹴るなどの制裁を加えられたため、原告は否応なく軍人の相手を続けざるを得なかった。」「原告らは、連日のように朝から晩まで軍人の相手をさせられた。殊に、日曜日はやってくる軍人の数が多く、また、通過部隊があるときは、とりわけ多数の軍人が訪れ、原告が相手をした人数が数十人に達することもあった。」という内容を追記し、東京高裁判決も追認してるとして『慰安婦は、居住の自由、外出の自由、廃業の自由(自由廃業)、拒否する自由がない性奴隷制である』と定義している。(東京高裁判決の内容は「国連人権委員会の特別報告者であるラディカ・クマラスワミによる「人権委員会決議一九九四/四五にもとづく『女性への暴力に関する特別報告者』による戦時の軍事的性奴隷制問題に関する報告書」(一九九六年〔平成八年〕。以下「クマラスワミ報告書」という。)は、第二次世界大戦中に旧日本軍によって設されたいわゆる慰安所制度が国際法上の義務に違反したとし、従軍慰安婦を「軍事的性奴隷」と論じていることが認められ、《証拠略》によれば、国連人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会の特別報告者であるゲイ・J・マクドゥーガル(英語版)による最終報告書「武力紛争時における組織的強姦、性奴隷及び奴隷類似慣行」(一九九八年〔平成一〇年〕。以下「マクドゥーガル報告書」という。)も旧日本軍の慰安所の強制的売春を強姦と、従軍慰安婦を事実上の奴隷であると論じていることが認められるが、これらの各報告書中、クマラスワミ報告書は、奴隷条約上の奴隷と関連付けたうえで、従軍慰安婦がこれに当たるとの結論を出しているものではない。しかし、これらの報告書から、従軍慰安婦の実態については、奴隷状態類似の重大な人権侵害行為があったものと推認することができる。しかしながら、奴隷条約に関する国際慣習法の適用に際しては、そこでいう奴隷の定義を無視することはできず、前記認定のとおり、従軍慰安婦が当時成立していたと認められる奴隷条約に関する国際慣習法上の奴隷に当たるとは認められず、仮にこれに該当するとしても、条約上の義務を怠ったことになる被控訴人に対して、個人が直接国内法手続で損害賠償請求権を行使することができるという国際慣習法が成立していたとは認められない。」である。) 2007年(平成19年)4月17日、林博史との共同記者会見で、「慰安所は事実上組織的な'性奴隷'だ。慰安婦たちは強圧による拉致や誘拐で募集され、監禁された」とし、「安倍総理は狭義の強制性という言葉を動員して強制動員を否認しているが、中国の山西省での裁判資料やフィリピンの女性たちの証言、オランダ政府の資料などを見れば、日本軍や官吏による強制動員が行われたことは明らかだ」と述べ、「安倍総理と政府は、慰安婦の強制動員に伴い、女性の尊厳性を無視したことに対し、明確な立場を示して法的責任を負わなければならない」と要求した。
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