愛知万博と空港線開業
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2005年(平成17年)に開催された『愛・地球博』(愛知万博)を契機として東海地方の交通再編が行われることとなり、その目玉として中部国際空港の開港が決定され、それにともない名鉄も空港輸送を中心とした体制へと再編することになった。空港線の建設は名鉄が直接的な形では行わず、空港の関連事業の一環として「中部国際空港連絡鉄道株式会社」を設立して、同社が建設を行った。名鉄は空港線を第2種鉄道事業者(路線を借り受け運行のみを担当)として営業し、フィーダーとなる常滑線に関しては徹底的に路盤強化・カーブの付け替えなどを行い、空港連絡特急用車を用意するなどの設備投資を積極的に行った。 その後も車両・駅設備のバリアフリー・安全機能の対応などをはじめ、名鉄の特徴であった2扉クロスシート車の廃車(置き換え)を積極的に進めるなど、都市間連絡輸送から都市圏輸送を主体とした輸送形態への変更を推進している。また、IC乗車券への対応を前提とした駅設備・自動改札機の整備もあわせて行い、鉄道運営に関する総コストを圧縮するための設備投資を中心に行っている。これに関連して、車両設計においても鉄道会社独自の事情を考慮したフルオーダー設計から東日本旅客鉄道(JR東日本)が提唱した標準設計・部品に基づく車両の新造導入により、イニシャルコスト(車両単価)の圧縮も志向している。加えて、関連会社の整理・統合もさらに推し進め、以前に分社化した車両現業部門の再統合(名鉄住商工業の名鉄本体への吸収・直轄事業化)や、福井鉄道・パレマルシェ(旧名鉄ストアー)など不採算子会社・事業の譲渡を行い、他の私鉄各社と同様に名鉄グループ全体の採算性向上と連結決算利益を重視する経営に向けて一層の徹底を志向している。 2027年度に開業を予定しているリニア中央新幹線に備え、現在の名鉄本社ビル、名鉄百貨店、名鉄レジャックと隣接する近鉄百貨店名古屋店(近鉄パッセ)を再開発することが決定している。これに加え、これらの地下部に存在する名鉄名古屋駅と近鉄名古屋駅を一つのターミナル駅として一体化する方針も打ち出している。 2021年1月14日、中部経済新聞により、グループ体制を見直したうえで純粋持株会社体制への移行を検討していると報じられた。
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