悪魔のZ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 15:13 UTC 版)
悪魔のZとは、主人公朝倉アキオの乗るS30型フェアレディZのこと。ミッドナイトブルーで塗装されたその車は、まるで意思を持つかのように、また「くるおしく身をよじるように」走り、主人公の手に渡るまでに何度もクラッシュを繰り返し、数々の死亡者や負傷者を出したことから「悪魔のZ」として伝説化した。 しかし、登場人物の中には「悪魔とは天界から追放された天使で、反逆者。チューニングという反逆的な行為を現して、あるいは当時誰も成し得なかったその圧倒的なパワーを差して、『悪魔』と呼ばれたのではないか」と、独特の解釈をする者もいた。 当初は選ばれた人しか乗れず、それ以外の人が乗ると事故に遭うという呪われた車と言われていたが(事実アキオをはじめ初期のころは相当数の事故を起こしている)、最近では様々な人物が乗っている(レイナ、城島、北見、島など)。 悪魔のZを誕生させたのは、かつて「地獄のチューナー」として、日本のチューニング界に名を轟かせた北見淳である。北見は、当時の市販車では最速とされていたポルシェ・911ターボに対抗するためS30型フェアレディZのL28型エンジンの排気量をボアアップし3.1リッターに拡張し、TD06ツインターボを装着した。燃料供給装置には、キャブレターが使用されている。この最初期の仕様の時点で既に悪魔のZは出力600馬力、トルク80kg·mを叩き出す常識外れのモンスターであったが、ワンオフパーツはクランクシャフトを除き一切使用されておらず、市販の改造パーツを組み込んだのみであった。 また、当初は悪魔のZは北見以外には整備出来ない(非常に高い技術でチューニングされているため)とされていたが、現在では大田の娘であるリカコが主に整備を担当している。そのためPS2版ではノーマル・北見仕様・リカコ仕様の3種類が存在する。 悪魔のZは主人公であるアキオの手に渡って大規模な改修を受けている。そもそも悪魔のZは物語序盤に安さんの乗るトラックと絡む大事故を起こして炎上し、そのまま廃車になるはずであった(北見ですら「悪魔のZは死んだんだ」と言った)が、これをアキオと高木が修理して復活させたものであった。これを皮切りに、悪魔のZは様々な最新型スポーツカーや島達也のポルシェ・911ターボ(964)に対抗するため、オイルの潤滑方式をドライサンプに変更してエンジンの搭載位置を下げたり、ルーフを切ってカーボン製ルーフを装着したり、アンダーパネルを装着(小説版ではもともと装着されている)することで、旧車のネックとなるコーナリング性能を上げるなどの大規模な改造が施されている。また、北見がパワーを重視しあえて切り捨てていた低速域の調整をリカコが行ったことにより、全速度域でのエンジンの「つながり」が発揮されるようになった。 ナンバープレートは、横浜33 て 53-68(アニメ版では「1」が付加、劇場実写版は「て」でなく「つ」)。車体は5ナンバー枠だが排気量が2リッターを超えているので3ナンバーであり、L28改と記載し改造車として車検を通した個体である。同じ神奈川運輸支局の管轄のため、ナンバーはそのまま引き継ぎになった。
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