怪物、魔物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 00:20 UTC 版)
「グイン・サーガの登場人物一覧」の記事における「怪物、魔物」の解説
ホーリー・チャイルド(フモール) 巨大なひとつ目の巨大な頭を持つ、手も足もない芋虫のような奇怪な胎児状の生物。もっとも有名なものは、ノスフェラスのグル・ヌーの地下に眠っていた星船で発見されたものである。また、レント海の島の洞窟から飛び立った星船でも同様のものがグインによって目撃されている。また、しばしばグインの見る夢や幻覚様のものとしても頻繁に登場しており、かつて幻覚の中に見たその生物に対して、グインが「ホーリー・チャイルド!」と呼び掛けたことがある。その姿はなぜかグインに激烈な恐怖を感じさせるものであるらしく、グインや星船との強い関連性を伺わせる。 魔道師ロカンドラスらの証言によれば、この生物は高い知性を持つという。キタイの魔道竜王ヤンダル・ゾッグの語るところによると、彼の先祖である竜人族が星海の果てで発見した生命の源なる星ユゴスに存在していたとされる生物と同じもので、竜人族によって〈神の種子〉を意味する〈フモール〉と名付けられた。《超越者》と呼ばれる強大な精神生命体種族の一部から派生した種族の末裔であるともいわれる。 ユリウス 2000年生きているといわれる淫魔。夢魔インキュバス。すでに滅亡したとされる古代生物カローンの淫魔族の唯一の生き残りで、魔道師グラチウスの一の手下。変身能力を持ち、普段はぬめるような白い肌に、黒髪、黒い瞳、真紅の唇の妖艶な美青年の姿をしているが、本来は巨大な耳と金色の目に尻尾を持つ、奇怪な姿の生物である。 淫魔と呼ばれるだけあって、その性的な技巧は極めて優れている。グラチウスの命により、ダンス教師エウリュピデスを名乗ってケイロニア宮廷へ潜入した際には、その淫靡な魅力で皇女シルヴィアを誘惑して拉致し、キタイで監禁して、彼女を麻薬と性の快楽に溺れさせた。同時に、監禁していた吟遊詩人マリウスに対しても、性的な虐待を行った。グラチウスの手下らしく、極めて非情な一面もあるが、本性は剽軽にして下品なおちゃらけものである。 〈インキュバスの淫獣責め〉と呼ばれる技によって人の精気を吸収し、自らのエネルギー源としている。だが、グインにその技を仕掛けた際には、グインの無尽蔵のエネルギーを吸収しきることができず、飽和状態となって破裂し、死にかけた。その他にも、幾度となく人々にちょっかいをかけては、しっぺ返しを食らい、手痛い目にあうことが多い。それでも持ち前のしぶとさからすぐに復活し、懲りもせずにさまざまな場面に登場しては、その下品なしぐさで人々を辟易させるという、ピエロ的な役どころを担っている。 ザザ 黄昏の国の女王。ハーピィの血を引くという大鴉。人間界と魔界のあいだにあるという妖魔の国である黄昏の国の門番役を自任し、生身の人間や死人が黄昏の国に入ってこないように見張っているという。 グインのシルヴィア探索行の際、狼王ウーラとともに半ば強引に道案内役となった。その際には、色っぽい妙齢の美女の姿に変身して同行し、時折グインを誘惑して閉口させつつも、キタイや帰途のノスフェラスで幾度となく彼を助けて活躍した。精神生命体アモンとの闘いからノスフェラスに帰還したグインが中原へ向かった際にも、再びウーラとともに同行して、記憶を失った彼をよく補助した。 ウーラ ノスフェラスの狼王。前狼王ロボと、地獄の番犬ガルムの娘シラの子。父ロボのあとを継いでノスフェラスの灰色狼たちを束ねているが、妖魔ガルムの血が入っているために、常にノスフェラスに入ることはできず、普段は黄昏の国や、黄泉の国近くのセトーの森で暮らしているらしい。念波を使って会話をすることもできるが、灰色狼としての立場を守り、滅多にその能力を使うことはない。 グインのシルヴィア探索行の際、黄昏の国の女王ザザとともに半ば強引に道案内役となった。その際には、持ち前の変身能力をいかし、巨大な馬などさまざまなものに姿を変えて、グインをおおいに助けた。その後も、ザザとは息の合ったコンビぶりを見せ、精神生命体アモンとの闘いからノスフェラスに帰還したグインが中原へ向かった際にも、彼女とともに記憶を失った彼をよく補助した。
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