従来のF3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:48 UTC 版)
2018年までのF3レースはFIAの定めるF3車の規定に従っているシャシー・エンジンを使用したシリーズが各国・地域で開催される形態であった。中でもイギリスF3(1951年〜2014年)・全日本F3(1979年〜2019年)・ヨーロッパF3(1975年~1984年、2012年~2018年)・ドイツF3(2003年~2014年)は、レベルの高い有力シリーズであり、最新のマシンとエンジンと技術が投入されているレースであった。シャシについては自社製造品の使用も可能であったが、2010年以降はダラーラが圧倒的なシェアを持ち、自社製などダラーラ製以外で参戦するチームが殆ど無いのが実状であった。エンジンは参戦チームがそれぞれのエンジンチューナーからレンタルし、組み合わせて使用した。 レース形式は、「1イベント・3レース」のスタイルをイギリスが2010年から、ヨーロッパが2014年から行なっていた。全日本は2011年よりイベントごとに「1イベント・2レース」と「1イベント・3レース」を併用するようになった。また距離は選手権によって違うが、最短で60〜80km前後、最長で90〜110km前後の走行距離となっていた。イギリス選手権の場合は距離ではなくタイムレース(時間制限はレースごとに異なる)となっていた。またイギリス、ヨーロッパ、全日本の選手権では別クラスで旧型シャシー(一世代前)でのエントリーが可能であった。この場合、新型と旧型の2世代のマシンの混走したレースとなっていた。もちろん、選手権ポイントは別々に与えられていた。 各選手権ごとにレギュレーションの細部が異なっているものの、シャシ・エンジン・タイヤ等の基本的な部分は同一であるため、それぞれのシリーズから参加者を募るレースが開催できたことがF3の大きな特徴である。 マカオグランプリ(中華人民共和国・マカオ)1983年〜2018年 マスターズF3(オランダ・ザントフールト)1991年〜2018年 インターナショナルF3リーグ(日本・富士スピードウェイ)1990年~1993年 コリア・スーパープリ(韓国)1999年〜2003年 バーレーン・スーパープリ(バーレーン)2004年 などは各シリーズの上位ドライバーが参戦するためF3の世界一決定戦のような性格を持っていた。 2019年、新たに発足したFIA F3はワンメイクマシンで争われるシリーズであり、従来のF3マシンで参戦することは出来ない。 ヨーロピアンF3は、2019年より名称を「フォーミュラ・ヨーロピアン・マスターズ」と改め、引き続き2018年以前のF3規定に従ったマシンによるレースとして開催される予定だった。しかし参戦ドライバーが集まらず、シリーズの開催自体が中止に追い込まれることとなった。そのため事実上は「GP3がFIA F3に名称変更し、ヨーロピアンF3が消滅」した格好となった。ただし、ヨーロッパ地域で従来のF3規定のマシンで参戦できるシリーズは他に「ユーロ・フォーミュラ・オープン」等がある。 全日本F3は、2019年まで全日本F3の名前を継続し開催することとなった。しかし2020年より名称を変更し「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」として開催することになった。シャシーはダラーラ開発のF320で、エンジンのマルチメイク体制が継続される予定である。 従来F3規定にて争われていたマカオグランプリも、2019年からFIA F3車両によるレースとなった。
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