彦根カロム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 08:34 UTC 版)
2色のパック(各色12個ずつ)をセンターサークル上に交互に配置して、中央のジャックスポットに2色の円が描かれたジャック(王将)を配置する。 シングルス(2人)の場合は、対戦相手と向かい合って座る。ダブルス(4人)の場合は、向かい合った2人がペア(味方同士)となる。じゃんけんをして、勝った側が先攻として赤色、負けた側が後攻として緑色を担当して、各々が同色(赤・緑)の円が描かれたストライカー(打ち玉)を受け持つ。じゃんけんに勝った人が座る場所を決める権利を有する。 ダブルスにおいては、自身のエリアライン内側にあるパック(どちらの色でも)やジャックをストライカーで直接打つことができないという特別ルールが適用される。ただし、エリアラインにかかったパックやジャックを直接打つことは認められており、エリアライン外側にあるパックやジャック、もしくはエリアライン外側(自分から見て側面や正面)のフレーム(壁)にストライカーを一旦当てることで、間接的にエリアライン内側のパックを打つことは認められている。パックは面取りされていることが多いため、エリアラインに触れていなかったとしても真上から見てかかっていればオンラインと判定される。このルールに違反して、エリアライン内側にあるパックやジャックを直接打ってしまった場合にはペナルティを受け、対戦相手がパック1個をジャックスポットへ戻し、さらに動いてしまったパックやジャックをできるだけ元の位置へ戻した上で、手番を時計回りで交替する。 両手を同時に使ってストライカーを打つことは禁止されているが、ショットごとに左右の手を使い分けて打つことは認められており、どの指を使って弾いても構わないが、手首の位置が移動する押し出すような打ち方は禁止されている。指をストライカーに密着させた状態で弾くことが認められており、指や爪を痛めないためにも推奨されている。またストライカーが少しでも動いてしまった場合には打ったものと見なされる。ストライカーを立てたり、パックやジャックに立てかけて斜めに配置したり、手のひらに乗せたり、ポケットを利用してストライカーの下面を打ったり、ストライカーの上面に指を乗せてスライドさせるような打ち方は認められていない。一方では、指を上方向へ弾いたり、第一関節を巻き込んでストライカーの側面を打つことで、空中に浮かせるロブショット(ジャンプショット)は認められている。打ちやすくするために盤を動かすことは禁止されており、エリアライン外側からストライカーを打つ場合であっても、自身のエリアラインの延長線内に身体の一部を留めていなければならない。 各自の最初の1打目だけは、自身のティースポットからストライカーを打たなければならない。打つたびにストライカーを盤上から回収しなければならず、手番以外の人のストライカーを盤上に残しておくことはできない。2打目以降はその都度、自身のエリアライン上にストライカーを配置して打たなければならない。ストライカーをパックやジャックに密着させて配置することが認められているが、ダブルスの場合には、エリアライン内側にあるパックやジャックにストライカーを密着させて配置することは禁止されている。1打目を打つ際に他のパックやジャックが自身のティースポットを塞いでいた場合には、ティースポットの輪郭線に触れる地点にストライカーをずらして、ダブルスではジャックやパックに干渉しないように配置して打つか、対戦相手の合意を得た上で、塞いでいるパックやジャックを盤上から一旦取り除いて、ストライカーをティースポットへ置いて打った後、取り除いたパックやジャックを元の位置へ戻さなければならない。 自身の色のパックをポケットに入れることができれば、手番が連続する。これはパックを直接狙って入れるほかに、別のパックやジャックを利用した玉突きでも、フレームにバンクさせて入れても構わないし、狙いとは違う結果になったても自身のパックがポケットに入れば良い。一回のショットで複数のパックを同時に入れたとしても連続手番数が蓄積するわけではない。対戦相手のパックをポケットに入れても構わないが、それはそのまま相手へのサービスとなる。自身のパックをポケットに入れられなかったり、ペナルティを受けた場合には、手番を時計回りで交替する。ティースポットから打つ各自の最初の1打目で自身の色のパックをポケットに入れることができれば連続手番となるので、第2打目はエリアライン上からストライカーを打たなければならない。パックやジャックがポケット内にあるパックに跳ね返って盤上へ戻ってきたとしても、ポケットに入ったことにはならない。この跳ね返りを防ぐため、ポケット内のパックを均したり、盤外や他のポケットへ移動させることが認められている。 コーナーにあるどのポケットでも構わないので、自身の色のパックをすべて入れてから、対戦相手よりも先にジャックを入れた側が勝ちとなる。一方で、自身のすべてのパックがポケットに入っていない状態でジャックをポケットに入れたり、ジャックが盤外に飛び出したり、フレームに乗った場合には、ジャックペナルティを受ける。対戦相手にすでにポケットに入っている自身のパック5個をジャックスポットへ戻してもらわなければならず、その最上段にジャックを乗せてから、手番を時計回りで交替する。この時にジャックが崩れたとしても何度でも積み直さなければならない。パックがポケットの中になかったとしてもジャックペナルティは累積するため、該当する色のパックがポケットに入った時点で忘れずにジャックスポットへ積まなければならない。ジャックスポットにジャックがある場合には、その上に積むことになる。一回のショットで自身のパックとジャックを同時にポケットに入れたとしても勝ちとは認められず、ジャックペナルティを受ける。この場合には、対戦相手がパック6個(ポケットに入れた自身のパックは無効+ジャックペナルティ5個)をジャックスポットへ戻して、その最上段にジャックを置いた上で、手番を時計回りで交替してゲームを続行する。 ストライカーをポケットに入れた場合(ビリヤードでいうスクラッチ)や、ストライカーが盤外に飛び出したり、フレームに乗った場合にはペナルティを受ける。すでに入っているパック1個をジャックスポットへ戻さなければならず、それで手番を時計回りで交替する。同時に自身のパックがポケットに入ったとしても無効となるため、入ったパックをジャックスポットへ戻さなければならない。ただし、相手のパックがポケットに入った場合には、それはそのまま対戦相手へのサービスとなる。このパックやジャックをジャックスポットへ戻す作業は、必ず対戦相手にやってもらわなければならず、戻すパックがなかったとしてもペナルティはマイナスとして累積するので、該当する色のパックがポケットに入った時点でジャックスポットへ戻さなければならない。 盤外に飛び出したパックは、その色に関係なくジャックスポットへ戻さなければならない。複数のパックを戻す際は、対戦相手のパックが下になるように配置しなければならず、必ず対戦相手にやってもらわなければならない。この場合はペナルティとはならないので、同時に自身のパックがポケットに入っていれば、手番が連続する。 パックを戻す際、ジャックスポットにすでに他のパックやジャックがある場合には、ジャックスポットの円の位置に合わせ、水平にパックを積まなければならない。すでに置かれているジャックやパックの位置を修正することは禁じられており、パックやジャックが斜めになっているなどの理由で、その上に水平に置けなければ、ジャックスポットに最も近い場所へ置くことが認められている。積んだパックが崩れたり、ポケットに入ったとしても、そのままの状態でゲームを続行する。ただし、この時にジャックがポケットに入ってしまった場合には、ジャックだけをジャックスポットへ戻さなければならない。 ゲーム中にパックやジャックが立ったり、積み重なったり、フレームや他のパックやジャックに寄りかかって斜めになったとしても水平に直すことはせず、そのままの状態でゲームを続行する。ただし、フレームの上にパックやジャックが乗った場合には、盤外に出たものと見なされるので、ジャックスポットへ戻さなければならない。 打ったストライカーの上にパックやジャックが乗ってしまった場合には、打った人が乗ったパックやジャックを持ち上げてからストライカーを回収した上で、垂直に盤面ヘ置かなければならない。この時、水平が保てずに崩れたとしても、そのままの状態でゲームを続行する。ただし、崩れた際にジャックがポケットに入った場合にはジャックスポットへ戻す。この場合はジャックペナルティを受けることはない。 ストライカーを打つ際に手や指などの身体の一部、または衣服が他のパックやジャックに触れて動いてしまった場合や、打ったストライカーが完全に静止していないのにストライカーを回収してしまった場合には、そのショットは無効となり、ペナルティを受ける。対戦相手がポケットに入ったパックをジャックスポットへ、動いてしまったパックやジャックをできるだけ元の位置へと戻した上で、手番を時計回りで交替する。 順番を飛ばしてしまった場合には、そのショットは無効となり、ペナルティを受ける。対戦相手がすでに入っているパック1個をジャックスポットへ戻した上で、本来の手番の人がプレイを行い、さらに順番を飛ばした人の手番は一回休みとなる。 カロム日本選手権大会では、決勝戦だけを除き、1試合につき5分の制限時間が設けられている。試合終了の1分前からは10秒以内に打たなければならず、10秒以内に打てなければその手番は飛ばされる。シングルスでは、先攻(赤)の手番で時間切れになっても、必ず後攻(緑)までプレイされる。ダブルスにおいては、最後の順番の人(4番目の緑のプレイヤー)までプレイされる。双方ともにジャックを落とせなければ、盤上に残されたパックの数が少ない側の勝ちとなる。パックの数が同じ場合には、勝敗が決着するまで順番を一巡ずつ繰り返すが、パックの配置が膠着状態となってゲームが進展しない場合には、じゃんけんで決める。得点の記録形式は、ジャックを入れて勝った側には100ポイントが与えられ、すべてのパックを入れているので12ポイントが付加され、合計112ポイントとなる。負けた側は、盤上に残ったパックの数を12から引いた数がポイントとなる。マイ・ストライカーの持ち込みが認められており、サイズが直径29.5mmからから31.5mm、高さ10.5mmから12.0mmの範囲内であれば問題ないが、出場前にサイズチェックと登録をしておかなければならない。
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