幸福会ヤマギシ会とユートピア主義とは? わかりやすく解説

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幸福会ヤマギシ会とユートピア主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 14:14 UTC 版)

幸福会ヤマギシ会」の記事における「幸福会ヤマギシ会とユートピア主義」の解説

近藤衛は、アメリカ社会学者ロザベス・カンターが19世紀のアメリカ栄えたユートピア集団シェイカーハーモニーアマナ、ゾアル、ソウノウヒルなど)の特徴として挙げている「脱会しても拠出した財産返還しない」、「親子分離して生活する」、「プライバシー余地がない」など100の項目のうち、およそ90%が幸福会ヤマギシ会についても当てはまると指摘しユートピア集団多く類似点みられる述べている。 近藤は、幸福会ヤマギシ会を「歴史的に類をみない特異なユートピア集団」であり、そのような集団組織できた要因創始者である山岸巳代蔵思想にあった分析している。山岸は、食糧増産のためにと伝授求められた独自の養鶏技術を「真の幸福社会建設のため」秘匿し、養鶏よりも精神論説き精神論耳を傾ける者にのみ若干技術教えた技術会得しようとする者は研鑽会を開き山岸自身難解な言葉の中から「真理」得よう必死になった。近藤は、「秘密」の存在ほのめかすことで山岸人心掌握していったのだと分析しその後も「秘密の呪縛」が組織維持する原動力になっている推察している。さらに近藤によると、山岸言葉には矛盾多く、後に幸福会ヤマギシ会山岸言葉のうち組織運営都合のいいものを選んで会員の〈観念〉を操作しようとした近藤は「ユートピア共同体成立するには、外部社会とその集団隔てる『境界』が高く設定されなければならない」とし、1998年平成10年10月に「から街へ」をスローガン40歳上の参画者を外部社会送り出す方針打ち出したことで幸福会ヤマギシ会外部社会とを隔て境界弱められ、会のユートピア集団としての存立基盤変動生じ兆し出てきたと指摘している。 近藤は特別講習研鑽会の中で冒頭部に「宗教非ずと書かれたテキスト配布され経験明かし、「『宗教非ず』と断ること自体ヤマギシ会がいかに既存宗教団体似ているかを示している」とも述べている。ジャーナリスト斎藤貴男は「その宗教性否みうもない」としつつ、ヤマギシ会側は宗教固定観念だと非難し宗教団体として扱われることに強い反発を示すと指摘している。 米本和広は、変性意識状態陥った山岸巳代蔵脳内思い浮かべ、他の人たちと共有したい願った現実世界とは異なる『真実世界』」としてのユートピア社会こそが幸福会ヤマギシ会本質であると推測し変性意識状態を他の者にも体験させるために考案されたのがヤマギシズム特別講習研鑽会であり、「『特講』で解離状態になった」ときに脳に浮かんだイメージ上のユートピア社会を、実際にこの世顕した』」がヤマギシズム社会実顕地であるとしている。その上で米本は、幸福会ヤマギシ会を「『イメージ世界』に私たち引きずり込み自分たちと同じよう脳内回路をもった人間仕立て上げようとする」集団であると定義する米本によると、イメージ世界共有できている者とできていない者とでは物の見え方すら異なる。米本は、「イメージ現実化し」、「『日本国』のなかにありながら日本はまった別の国家内国家」というべき集団数十年の間発展したことを「驚異」、「正直なところ畏敬の念すら覚える」と述べている。 他方島田裕巳は、「ヤマギシ会実顕地を作りだしたのは日本人であり、そこには個人集団融合させることに価値をおく日本的な価値観生きている」と述べている。

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