常磐線磯原 - 大津港間列車脱線事故とは? わかりやすく解説

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常磐線磯原 - 大津港間列車脱線事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:16 UTC 版)

日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の記事における「常磐線磯原 - 大津港間列車脱線事故」の解説

1989年平成元年10月24日列車脱線事故線閉違反常磐線磯原駅 - 大津港駅間下り線において、新座貨物ターミナル駅札幌貨物ターミナル駅下り貨物3083列車ED75形電気機関車牽引21編成)が夜間保線工事のためレール取り外され区間進入脱線転覆した負傷者はなし。下り線不通となったが、当時複線片方が無事であれば運行継続することも多く、この事故の際も翌日夕方まで高萩駅 - 大津港駅間は上り線使用した単線運転で維持された。 原因は、高萩駅当務駅長であった輸送係と現場責任者であった施設技術主任二重のミスであった当日は3083列車通過後、線路閉鎖行い保線工事を行う計画となっていた。CTC整備されていなかった当時列車通過確実に認識できるチェックポイント信号扱いを行う連動駅(停車場)、すなわちこの区間であれば高萩駅大津港駅のみであったが、東北本線補完する貨物大動脈であり、当時はそれに加え寝台特急設定もあった常磐線深夜帯列車本数多く夜間工事を行う際は行き交う列車間合い縫って行うことが求められた。このため、3083列車通過後、線路閉鎖手続き行って夜間工事取り掛かる際、下り方の連動駅である大津港駅通過確認せずとも、3083列車現場通過視認した時点で、線路閉鎖する手続き取り工事着手することとなっていた。これは「現場通過着手」と呼ばれ、これ自体当時規則上正当な取り扱いであった。 ところが、当日別の工事の関係で、3083列車および先行貨物3081列車時刻変更され、両列車とも通常より遅い時間運行されていた。2時44分ごろ、現場において列車通過視認した現場責任者はこれを3083列車認識したが、実際には3081列車であった貨物列車車体には列車番号表示されておらず、現地端末列車正確な位置確認するようなこともできなかったため、潜在的にミス誘発する余地はあったが、時刻変更によりまだ通過するはずのない時間であった点への配慮欠けていた。 現場責任者は、上り連動駅である高萩駅に3083列車通過報告行い線路閉鎖要請した。この時点で3083列車高萩駅通過後わずか4分であり、現場まで通常の貨物列車では10掛かる中、明らかに早すぎる報告であったが、高萩駅当務駅長復唱の上承認した。ここに2つ目のミスがあった。結果として2時53分、工事着手によりレール撤去され区間列車進入脱線転覆至った当日朝日新聞夕刊の「あっ、レールがない!」という見出し話題呼んだ。後に、JR東日本社内誌『JRひがし』2011年1月号にも、「あっ! 線路がない」として取り上げられた。 この事故により、原則として次の連動駅への到着待って線路閉鎖を行うこと、止むを得ない場合には、1本前の列車次の連動駅に着いたことを確認すること、誤進入列車工事知らせるための措置十分に行うことが定められた。

※この「常磐線磯原 - 大津港間列車脱線事故」の解説は、「日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の解説の一部です。
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