川藤姉弟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 16:58 UTC 版)
川藤阿蘇子(かわとう あそこ) 本作の主人公。薬剤師の資格を持ち、当初は病院の薬局で働いていたが、父が危篤との知らせを受け、病院にかけつけ、父の今際の際に言われた「うちの店を…薬屋を…ふたりで…守ってくれ…」との言葉に、弟の龍樹とともに薬店の看板を守ってゆくことを誓う。 タイプとしては清純派で、初めのうちは、性的な用語を話すのに恥ずかしさが先に立ち、客への説明も赤面しながらのぎこちないもの(男性客には、それがかえって好評であった)になってしまっていたが、次第に慣れてきて、抵抗なく説明できるようになった(しかし、男性客には残念がられる)。また、説明するときに専門用語(フェラチオ→口肛の粘膜との接触、(女の)アソコ→外性器、など)を言って、かえってわかりにくくなってしまうこともあった。 薬物の知識はあるものの性体験が殆どない(処女である)ため、理屈に先走ってしまいがちになったり、性愛関係の妙といったものに疎くて的外れな感情を持ったりするため、龍樹から「処女の発想」と突っ込まれることもしばしばである。 また、美的センスについても多少ズレているところがあり、龍樹から「姉ちゃん、とことんセンスない!」とツッこまれる。 前髪の左側に髪留めをつけていたが、4巻P39から突如しなくなる。虫が苦手。薬用酒作りが趣味であるが、酒に弱いため、作るばかりであまり飲まない。日焼けの皮を剥くのが好き。龍樹のことは名前で呼んでいるが、龍樹の態度に呆れたり怒ったりした時には「アンタ」になる。 五代院伸とは、当初から親近感を覚えていた(阿蘇子自身はそれが恋なのか判断がつかなかった)が、徐々に親密度が増し、恋人関係となる。そこに至るまでの過程において五代院の特殊性癖(匂いフェチ)を知るも、(通常の女性ならば引いてしまうべきものにもかかわらず)受け入れる。そのためこの関係は、龍樹からは、不思議な関係と見られる。 その後、五代院とは健全な関係(それと併行して、五代院の匂いフェチに絡んだ特殊な関係)が続き、なかなか性的関係に至らず、龍樹をはじめとする周囲をやきもきさせるが、ラストで五代院の富山への転勤がきっかけとなり、ついにプロポーズされ、結ばれる。 しかし、初体験を済ませたことにより、今まで客から相談されていた性の悩みの奥深かさを知ることとなり、これまで通り店を続けたいと願い、五代院も阿蘇子の意向を汲み、二人は結婚するも別居結婚の形を採ることになる。 川藤龍樹(かわとう たつき) 阿蘇子の弟。どちらかといえばイケメンの部類に入るが、ナンパ野郎で、店に来た女性客を口説くこともしばしばであり、女性関係について無節操な発言や行動をする(その度に阿蘇子に「アンタは~」と眉をつりあげられる)。女性に彼氏がいても、特に関知しない。ただし、人妻には手を出さない主義(ベッドでの性のレクチャーはする)で、目立ったトラブルは起こしてない模様。 そういうわけで、薬剤師の資格はないがHに関する知識は相応にあり、理屈ばかりになりがちな阿蘇子を実践的な経験からくる知識でサポートする。また、女性を口説くテクニックは、店の営業での商品の売り込み(セールス・トーク)に生かしている。 Hのテクニックには相当の自信があり、「どんな女でも必ずイカせられる」、「彼氏がいても100%うばえる」と豪語する(それだけに、その自信を揺るがされることがあると、深くヘコむ)。また、女性を観察して、その女性が「ヤレる」とか「どの程度の経験の持ち主」とかを見抜く眼力(作中で「龍樹センサー」と称される)もある。 Hについてたいていのことは経験があるが、ロリの気はなく、通常の男女関係のHが嗜好範囲のようである。 Hに関して、自分の知らないことがあれば、貪欲に吸収しようとする。家の中で行われる他人のH(子供の頃は両親の行為、現在では姉や店に来た客の行為)は、抜け目なく覗いたりする。 ときどき、余計な一言(ダジャレやボケ)を言ったり、阿蘇子が処女であることを揶揄したりして、阿蘇子に(主に薬液のガラス容器などで)殴られたりしている。 たまたま店に来たミチカに手を出したのが運のつきで(龍樹は、いつものように割り切った関係のつもりだったが)、以後気に入られ、たびたび店にやって来られるようになり、困惑・辟易する。最初はミチカから逃げるため、店をほったらかして数日間外泊していたが、ついに根負けし、交際するようになる。 やや強引にミチカと交際する羽目にはなったが、心底から嫌っているわけではなく、邪険に扱うことはしていない(ただし、その間も、他の女にも手を出していたようである)。そういった微妙な関係が続いていたが、終盤には特殊なHがきっかけとなり、結婚に至る。
※この「川藤姉弟」の解説は、「あそこの処方箋」の解説の一部です。
「川藤姉弟」を含む「あそこの処方箋」の記事については、「あそこの処方箋」の概要を参照ください。
- 川藤姉弟のページへのリンク