封印されていた隣人たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 04:03 UTC 版)
「マヤのマンション」の記事における「封印されていた隣人たち」の解説
当初登場する人格はマヤ、ユリア、エイダン、ソフィーの4人のみだったが、物語が進むにつれ、封印されていた人格たちが明らかになってくる。彼らは概ね好ましからざる性格をしており、たびたびトラブルを起こすことを憂慮したエイダンによって封じ込められていた。そのためエイダンへの恨みは深く、封印が解けると反撃に転ずる。また彼らはそれぞれ独自の容姿をしており、外見上肉体との整合性はなく、光の座に立った時のみ、容姿が変貌する。 カミラ(Kamilla) 怒りと暴力を司る人格。20代で持ち色は黄色。襟元にヒョウ柄をあしらったライダースーツに身を包み、ウェーブのかかった髪を後ろに流している。非常に短気で喧嘩っ早く、マヤの中等部から高等部時代にかけて暴行事件を数多く引き起こし、その咎を結果的にではあるが、マヤ・クラビスに押し付けていた。見かねたエイダンによってクリスとともに封印され、エイダンの「一つになる」計画から排除されていた。そのため復讐の機会を伺い続け、封印が解けるとマヤとマヤ・クラビスを人質にエイダンに襲い掛かり、光の座を独占しようと目論む。 極めて粗暴である一方、封印されている間にエイダンの記憶を読み抜き、覚醒者として豹を繰る能力を得るなど狡猾な一面を併せ持つ。また本人曰く「自分から喧嘩を売ることはなく、売られた喧嘩をありがたく買ってやってる」とのこと。 クリス(Chris) ソバカス顔にニット帽を被った10代男性。吃音でナイフを携行している憎しみと挫折を司る。常に攻撃を弱者に向け、陰湿かつ卑怯な振る舞いで充足感を得ている屈折した人格。反面理論家のエイダンや、暴力で解決するカミラなど自分より強い相手には弱く、窮すると逃げ出してしまう。エイダン曰く「カミラより厄介な奴」。 大抵はまずクリスが騒動を起こし、それをカミラが暴力で解決する負の連鎖ができあがっていたため、エイダンによって彼もまた封印されていた。 プロローグで無賃乗車騒動を起こしたのは実はクリスであり、似た色のソフィーであるかのように誘導するミスディレクションがなされている。 マヤ・クラビス(Maya Clavis) 持ち色は紫。「主人格」。容姿は現実世界のマヤそっくりであるが、現在の肉体よりやや幼い中等部の頃の姿。常にうつむき加減で全身傷だらけであり、手を引かれて移動することは可能だが、語り掛けても反応は一切見せない。腰に鍵束を所持しており、混乱のすべてを知りうる人格。精神が極限に追い込まれると暗闇によって辛い記憶をノートにして分離させされたり、さらには他の人格を作り出されたりしている。この際引き裂かれるような苦痛を受けるらしく、危惧したエイダンによって封印という形で保護されていた。彼女の存在を知ったマヤは「主人」のしての地位が揺らぎ、激しく動揺する。 他の人格の年齢が「10代」など曖昧な表記がされる中、唯一20歳と断定されている。ちなみにクラビスとはラテン語で「鍵」の意味。 暗闇 エイダンには「闇の手」とも呼ばれる黒い霧状の塊から白みがかった乳幼児の腕を複数生やした存在で、厳密には人格ではない。人格たちが「多重人格者の人格の一部にすぎず、幻の存在である」という情報を得ないよう、そのような状況になるとどこからともなく現れ人格たちの目と耳を塞いでしまう。ただし、人格自身が事実を知りたいと意識すると阻むことはできない。 エイダンはこの呪縛から逃れ、覚醒者になることができた。しかし他の人格たちに、多重人格の事実を暗闇の妨害によって伝えることができず、エイダンは「一つにある」というあいまいなテーマで人格統合に取り組まざるを得なくなった。
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